2016 Fiscal Year Research-status Report
カロリー制限に着目した声のアンチエイジングに関する分子生物学的研究
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15K20188
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
山内 彰人 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 耳鼻咽喉科医師 (90612507)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アンチエイジング / 声帯 / カロリー制限 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、声のアンチエイジングを臨床応用するための基盤確立を目的とする。
SDラットに対する短期のカロリー制限(CR)負荷によって、喉頭にアンチエイジング効果がもたらされるかどうかの検証、その分子生物学的機構の解明、超短期・長期モデルによる現象の普遍性の評価を主な手法とする。
初年度の平成27年度は短期CRモデルの組織学的・分子生物学的評価、平成28年度は中年・老年ラットCR、平成29年度はそれらに基づく発展的なモデルでの研究を予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は初年度の平成27年度は短期CRモデルの組織学的・分子生物学的評価、平成28年度は中年・老年ラットCR、平成29年度はそれらに基づく発展的なモデルでの研究を予定していたが、動物実験の研究施設の移転、研究代表者の異動、基本となる短期モデルのデータ評価が予定よりも難航していることにより、短期CRモデルの分析が難航しており、まだ超短期・長期モデルの段階に進めていない。
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Strategy for Future Research Activity |
短期モデルの解析により、CRの喉頭に与える影響は複雑で、声帯の部位に応じて反応が異なることが分かってきた。短期CRによって、声帯の粘膜固有層ではヒアルロン酸が増加し、コラーゲンの増加が抑制され、創傷治癒が亢進しており、アンチエイジング効果が生じている可能性が高いと考えられたが、声帯の筋層では萎縮性変化が生じ、不利益を来す可能性がある。このため、今後は実験系を増やすのではなく、現在の短期CRモデルをより深く掘り下げて、粘膜固有層と筋層それぞれでの変化を詳細に分析する方向性に方針転換を考えている。
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Causes of Carryover |
動物実験用の研究施設の移転、研究代表者の異動、これまで得られた短期カロリー制限モデルのデータ解析に時間を要したこと、短期モデルでの解析結果が複雑であったことなどにより、予定よりも研究の進行が遅れている。高価である特殊な餌を多量に消費する長期モデルにまだ進めていないため、現段階で実験費用が予定より少なくなっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度の本年度はデータの総括を行うが、短期モデルの解析結果が当初の予想よりも複雑で、粘膜固有層と筋層で変化が異なっていたため、超短期モデルや長期モデルに進む前に、現在の短期モデルの解析をより深く行う方針に変更する予定である。今回の未使用分は短期モデルの詳しい評価に充てる予定である。
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