2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development and clinical application of new liquid biopsy method in nasopharyngeal carcinoma
Project/Area Number |
15K20190
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平井 信行 金沢大学, 附属病院, 医員 (40632534)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 上咽頭癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
上咽頭癌20名と上咽頭癌以外の頭頸部癌患者20名、健常人20名から核酸を抽出し、EBV-DNAとEBV-RNAの定量を行った。実際に定量したEBV-RNAはmiR-BART2-5p、miR-BART17-5p、miR-BART18-5pとした。そしてこれらの定量結果を解析した。 EBV-DNAは上咽頭癌患者全例で治療前に大量に検出され、コントロールからは検出されなかった。またDNAコピー数は臨床病期と相関関係を示し、治療後に全例でコピー数の低下がみられた。治療後に検出された患者はのちに再発を示した。この結果からEBV-DNA定量は腫瘍体積を反映するバイオマーカーであり、治療後検出は予後予測因子となりえることが改めて分かった。 一方、miR-BART2-5p、miR-BART17-5p、miR-BART18-5pは治療前ではコントロールに比べて有意にコピー数が高かったが、各コピー数は臨床病期と相関関係を示さず、治療後に全例で有意なコピー数の低下がみられなかった。そして治療後最も再発遺残を反映したのはmiR-BART17-5pであった。 それぞれの治療前感度・特異度を計算すると、EBV-DNAが最も高い感度特異度を示した。このことから治療前診断においてはEBV-DNAが有用とわかった。一方、治療後検出で再発遺残を最も反映したのはmiR-BART17-5pであった。さらに11名の上咽頭癌患者を追加しEBV-DNAと比較を行ったが、治療後検出において再発遺残を最も反映したのはmiR-BART17-5pであった。 miR-BART17-5pは治療後残存した微小癌細胞をより鋭敏に反映する可能性があり、新たな治療後バイオマーカーとしての可能性が示唆された。
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