2015 Fiscal Year Research-status Report
HPV陽性中咽頭癌におけるウイルス発癌機構へのAIDの関与
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15K20192
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中西 庸介 金沢大学, 医学系, 助教 (20623648)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 中咽頭癌 / ヒトパピローマウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
Human papilloma virus (HPV)関連中咽頭癌は世界的に増加の一途をたどっている。HPVは通常宿主細胞内にepisomalな状態で潜伏している。さらに宿主ゲノムへintegrationされることが癌化に必要であるが、その機構は不明である。本研究は細胞自身の内因性免疫、すなわち、ウイルスに対して変異を導入するAPOBEC familyのデアミナーゼ活性に着目して、1)中咽頭癌と喉頭乳頭腫におけるAPOBECファミリー発現プロファイルを比較する。2)APOBECファミリーの中でもdouble strand breakを誘導する唯一の酵素であるAID発現3)APOBEC発現と遺伝子変異導入についての関連性についてHPV由来のE6,E7発現と癌化の関連性を細胞株を用いて解明することとした。 HPV陽性喉頭乳頭腫におけるAPOBEC3のプロファイリングを行った所、一部でAPOBEC3F発現を認めたものの他はAPOBEC発現は認めなられなかった。喉頭乳頭腫は粘膜基底層に存在しており、ウイルス増殖までは粘膜内に潜伏している。乳頭腫は粘膜損傷のある箇所には感染し、浸潤、増大を認めるが、発育は一般的に緩徐である。今回の結果と乳頭腫の性質からは正常細胞に潜伏するべく宿主の免疫応答を回避する機構が働いているかもしれない事が示唆された。中咽頭癌については検体の準備の関係上、今後検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体および試薬の準備が整った喉頭乳頭腫における免疫染色を行い、乳頭腫ではAPOBEC発現が少ない事が分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
中咽頭癌標本についてもAPOBEC発現の評価を行い、他の実験についても遂行していく予定である。
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