2015 Fiscal Year Annual Research Report
アスピリン喘息鼻茸におけるL-plastinの役割
Project/Area Number |
15K20194
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 弟 福井大学, 医学部, 助教 (10444225)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アスピリン喘息 / LCP1 / Tissue Factor |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究以前に我々は、アスピリン喘息鼻茸において、LCP1発現陽性好酸球が有意に多いことを同定してきた。このLCP1陽性好酸球が、アスピリン喘息において、どのような役割を担っているのかを本研究で検討した。まず我々は、炎症と凝固系の相互作用に好酸球が重要な役割を担っていることに着目した。最近、喘息や慢性蕁麻疹において、好酸球はTissue factorを放出し、Tissue factorが起点となり、凝固系を活性化し炎症増悪、炎症により抗凝固系がさらに活性化するという相互作用を生じていることが報告された。そこで、好酸球におけるTissue factorの調節にLCP1が関与しているのではないかと推測した。まず多くの好酸球が実際にTissue factorを発現していることを免疫染色で明らかにした。 次に、LCP1の発現をRNAiで低下させ、LCP1の発現の有無で、Tissue factorの発現部位について違いを比較した。好酸球様細胞株EoL-1にLCP1とnegative controlのsiRNAを導入を行った。RNAiの導入が難しいと言われる浮遊細胞で、ほとんどの細胞に導入でき、LCP1に対するmRNA発現を約85%低下することができた。CotrolとLCP1のRNAiを導入した細胞ごとに、サイトカイン刺激を行いTissue factorの発現を細胞免疫染色で比較した。 好酸球活性化因子であるGM-CSF刺激では何も変化認めなかったが、INFγ及びIL-4の刺激では、コントロールでは細胞膜周囲にTissue Factorが移動した。しかし、LCP1の発現抑制によりTissue Factorの膜方向への移送は阻害された。つまりTissue Factorの細胞膜の分布にはLCP1が重要であることがわかった。また、mRNAレベルでもIFNγ刺激で、Tissue Factorは発現亢進していた。
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