2016 Fiscal Year Research-status Report
新規ミトコンドリア遺伝子変異による難聴の解析と難聴発症メカニズムの解析
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15K20199
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
矢野 卓也 信州大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (10511058)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 難聴 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、当研究室が管理する日本人難聴患者DNAバンク(約6500例)のうち、未だ原因の特定できていない患者400例を対象にミトコンドリアDNAの解析を行い、ミトコンドリアDNA全塩基配列を決定した。ミトコンドリアDNAには多型が多く疾患と無関係な変異も多数存在することが明らかとなっていることより、財団法人岐阜国際バイオ研究所が管理するミトコンドリアゲノム多型データベースおよび国際的に疾患と関連するミトコンドリア遺伝子変異のデータベースであるMitoMapを参考に日本人健常者に認める多型を除くとともに、過去に報告のある変異に関してさらに臨床像などの解析を行った。その結果、日本人難聴患者に認められるミトコンドリア遺伝子変異の種類と頻度を明らかにした。難聴と関連するミトコンドリア遺伝子変異のうち日本人難聴患者に最も高頻度に認めるのはm.1555A>G変異であり、次いでm.3243A>G変異、m.8296A>G変異の順であった。一方、欧米から報告されているm.7445C>T変異は検出されず日本人難聴患者特有の変異スペクトラムを有することが明らかとなった。また、新規のミトコンドリア遺伝子変異候補を複数見出した。現在これらの変異に関してさらに詳細に検討する予定である。また、遺伝子変異の認められる家系より臨床情報を収集するとともに、遺伝子変異の種類と難聴の程度、進行の程度に関する相関解析を行い、各遺伝子変異毎の臨床像を明らかにすることができた。また、既知変異も含め末梢血を採取し機能解析を行うための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りミトコンドリア遺伝子のスクリーニングを実施するとともに、日本人難聴患者における変異スペクトラムを明らかにできている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は前年度までに引き続きミトコンドリア遺伝子変異の解析を行うと共に、変異の見出された家系より血液検体を採取してfibroblastを用いた機能解析を行い、ミトコンドリア遺伝子変異による難聴発症のメカニズムに関して検討を行う。また、研究計画最終年度であるため、研究成果の取りまとめを行い論文等して公表する。
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