2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating a factor of the therapy resistance of HPV related oropharyngeal cancer by using comrehensive analysis
Project/Area Number |
15K20202
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武本 憲彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20636485)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / 中咽頭癌 / 治療抵抗因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
HPV陽性中咽頭癌細胞株UMSCC47を用いて放射線耐性株を樹立した。また同様にHPV陽性中咽頭癌細胞株であるUPCISCC090を野生株として放射線耐性株を作成しようとしたが、非常にslow growingな株であり、かつ低照射量でもほぼ死滅してしまう細胞株であったため放射線耐性株の樹立はできなかった。 HPV陽性中咽頭癌未治療新鮮(F0)検体とそれから樹立したマウス移植(F1)検体を3ペア樹立した。UMSCC47の放射線耐性株と野生株をニュートラルサンプルにおき、F1検体とF0検体の3ペアと合わせて合計8検体をプロテオーム解析とマイクロアレイ解析に用いた。F0検体からのタンパク抽出がうまくいかず、解析に用いるタンパク量が不足してしまい結果的にプロテオーム解析ができなかった。mRNA抽出は十分に可能であったためマイクロアレイに関しては可能であった。マイクロアレイの結果、4ペアで共通して発現上昇した遺伝子は1049認められた。HPV陽性頭頸部癌は陰性癌と比較してPIK3CAmutationが有意に多く認められているという報告があったため、PI3K-AKT-mTOR pathway内の変化に着目した。PI3K-AKT-mTOR pathway内において4ペアで共通した変化があった遺伝子は98遺伝子認められた。治療抵抗因子を携えていると考えられるF1サンプルと放射線耐性株サンプルではAKT依存的なシグナルであるFOXOやMDM2などが発現上昇したが、mTORシグナルであるs6やelF4Eなどは変化しなかった。 放射線耐性株と野生株を用いてウェスタンブロットで検証したところ、耐性株では野生株と比べてAKTのリン酸化が増強していたが、mTORの下流であるs6、p70のリン酸化増強は認められなかった。放射線耐性株ではAKT阻害剤のほうがmTOR阻害剤より増殖抑制効果が強かった。HPV中咽頭癌は治療抵抗性を獲得するとAKT independentからAKT dependentにシフトしていくが考えられた。
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