2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism and potential new treatment for salivary gland carcinomas.
Project/Area Number |
15K20208
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
四宮 瞳 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70623081)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 粘表皮癌 / CRTC1-MAML2 / AREG / EGFR |
Outline of Annual Research Achievements |
CRTC1-MAML2はCRTC1のCREB-binding domainとMAML2のtranscriptional activation domain部で結合して構成されている。この融合遺伝子によりCREB経路が持続的に活性化されている。AREGはCREB標的遺伝子の1つであり、EGFR経路を活性化して粘表皮癌細胞の生成、生存に関与するとin vitroとin vivoの実験で報告されている。AREG蛋白はまずpro-AREGという膜貫通前駆タンパク質として生成される。pro-AREGはその細胞外ドメインで切断されてsoluble AREGとなり、このsoluble AREGがEGFRに結合してEGFRシグナルが活性化される。最近の論文でpro-AREGの細胞内ドメインが細胞分裂のG2期からM期の移行を促進しているとの報告がある。我々は、大唾液腺粘表皮癌におけるAREGとEGFRの発現の傾向についてCRTC1-MAML2陽性、陰性例での比較を行った。 今回の研究で、AREG高発現例はCRTC1-MAML2キメラ遺伝子陽性例で有意に多くみられたため、AREGはCRTC1-MAML2キメラ遺伝子の代替マーカーになりうると考えられた。また、CRTC1-MAML2陽性例は従来の報告どおり予後良好例が多かった。また、AREG高発現、低発現群における無病生存期間に有意差がでたため、粘表皮癌においてAREG高発現は予後良好の指標になる可能性が示唆された。CRTC1-MAML2とAREGには有意な相関を認めたが、CRTC1-MAML2とEGFRには相関関係がなかった。
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