2016 Fiscal Year Annual Research Report
Expression of innate lympgoid cell and its response to microbial components in eosinophilic upper airway inflammation
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15K20210
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
檜垣 貴哉 岡山大学, 大学病院, 助教 (30587407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自然リンパ球 / IL-5 / IL-13 / 好酸球性副鼻腔炎 / 鼻茸 / CD127 / Lineage / IFN-γ |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎の鼻茸では2型自然リンパ球(Innate Lymphoid cell)が増加するなど、好酸球性上気道炎症の病態に自然リンパ球が関わる可能性が示されているが、詳細は不明であった。我々はこれまでに、好酸球性副鼻腔炎の病態に微生物、特に黄色ブドウ球菌の外毒素(エンテロトキシンやαトキシン)が関与することを明らかにしてきた。一方、これらの微生物コンポーネントに対する応答に自然リンパ球がどのように関わるのか、未明な点が多い。そこで、前年度に引き続き、黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB刺激に対する鼻茸分離細胞のサイトカイン産生に、自然リンパ球の及ぼす影響について検討した。鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者の手術時に鼻茸を切除した。鼻茸をコアグラーゼなどの酵素で処理し、鼻茸分離細胞を精製した。鼻茸分離細胞をLineage (CD2、CD3、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD56、CD123、CD125a)とCD127を用いた磁気ビーズ法にて、Lineage陰性・CD127陽性細胞、すなわち自然リンパ球を単離した。鼻茸分離細胞を黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB刺激する際に自然リンパ球を添加し、サイトカイン産生の変化を観察した。鼻茸分離細胞は黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB刺激にてIL-5、IL-13、INF-γ、IL-10、IL-17AおよびIL-22産生を示した。自然リンパ球の添加は、黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB刺激によるIL-5および、IL-13産生を増強し、一方で、IFN-γ、IL-17AおよびIL-22産生を抑制した。以上より、鼻茸を構成する自然リンパ球は黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB刺激によって誘導される2型サイトカイン産生を増強し、1型サイトカイン産生を抑制する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)