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2015 Fiscal Year Research-status Report

新規経口免疫寛容剤を用いたスギ花粉症に対する2重盲検ランダム化比較試験

Research Project

Project/Area Number 15K20211
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

村上 大輔  九州大学, 大学病院, その他 (80568965)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords経口免疫療法 / スギ花粉症 / スギ抗原-ガラクトマンナン複合体
Outline of Annual Research Achievements

スギ花粉症患者54名に対して2重盲検ランダム化比較試験の実施した。新規経口免疫寛容剤であるスギ抗原(Cryj1:187.5μg)-ガラクトマンナンカプセルをスギ花粉飛散時期前より約1ヶ月前(2014年1月中旬)より18日間かけて漸増内服し、その後、維持量として4Cap(Cryj1:total 750μg) 2×/日を51日間連続し内服投与を行い、primary outcomeとして花粉飛散期中のsymptom-medication score、secondary outcomeとして花粉飛散期中のsymptom score、medication score、経口免疫療法中の有害事象をプラセボ群と比較検討した。データの収集、マネージメント、解析は第三者機関に委託して研究を遂行した。2015年度は、2014年度からの試験実施に引き続いて臨床試験のデータの精査、その解析を行った。臨床試験の最終的なデータ固定は2015年4月30日となり、引き続いてprimary outcomeとsecondary outcome の解析を行った。primary outcomeとして花粉飛散期中のsymptom-medication scoreは全飛散期を通してプラセボ群と比較してスコアの低下が認められたが統計学的には差が認められなかった。一方でsecondary outcomeとしてのsymptom score では、両群とも差は認められなかったがmedication scoreでは全飛散期を通してプラセボ群と比較してスコアの低下が認められ統計学的にも有意差が認められた。有害事象に関しても、いずれもgrade1で経口免疫療法群、プラセボ群でその発生率に有意差は認められなかった。臨床試験の結果は、2015年5月20~23日に開催された第116回日本耳鼻咽喉科学会・学術講演会で発表を行い、現在内容をまとめ論文投稿の準備を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

臨床試験の結果として、いままでの皮下免疫療法、舌下免疫療法と比較して約2か月間の短期間のプロトコールではあるが新規経口免疫療法併用することで花粉飛散期中の薬物使用スコア(抗ヒスタミン剤や点鼻ステロイド薬の使用)を有意に軽減でき(約60%減少)、免疫療法として安全性も高く有用であることを示すことができた。

Strategy for Future Research Activity

本試験の結果が論文として受理された時点でプレスリリースを行う。またスギ花粉症に対する新規の治療法となる可能性があり、webページなどの作成、また研究会なども実施し、その効果、安全性についてさらに世間に広く周知を行う。
試験結果としては安全性と花粉飛散期中の薬物使用スコア(抗ヒスタミン剤や点鼻ステロイド薬の使用)を有意に軽減(約60%減少)できることを示すことは出来たが残念ながらprimary outcomeとして花粉飛散期中のsymptom-medication scoreは全飛散期を通してプラセボ群と比較してスコアの低下が認められたが統計学的には差が認められなかった。本試験は、臨床試験として探索的な第Ⅱ相試験に当たる。今回の臨床試験結果をもとに、今後はより検証的な第Ⅲ試験を模索する予定である。primary outcomeで統計学的に有差がでるであろうN数を算定し、より精度の高い臨床試験が実施できるよう臨床試験遂行にあたっての試験計画、データマネジメントについて検討を行っていく予定である。また第Ⅲ試験を行うに当たっては多くの症例を必要とするので試験結果を広く公表するとともに多施設での研究を目指し協力機関を募り組織づくりを行う方針である。

Causes of Carryover

現在研究成果をまとめ論文を作成中である。論文作成がやや予定より遅れており論文校正費用、論文掲載費用、第三者機関での統計解析費用、論文作成のためのソフトに支出予定であったがまだ支出できていない状態である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度生じた使用額は、論文校正費用、論文掲載費用、第三者機関での統計解析費用、論文作成のためのソフトに支出予定である。元々の次年度予算は、当初の予定通り論文成果の周知のためwebページ作成、研究結果発表のための出張費用、データ管理のための人件費、周辺機器、機材購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] スギ花粉症に対するスギ抗原-ガラクトマンナン複合体を用いた経口免疫療法の検討:2重盲検ランダム化比較試験2015

    • Author(s)
      村上大輔
    • Organizer
      第116回日本耳鼻咽喉科学会・学術講演会
    • Place of Presentation
      東京都 東京国際フォーラム
    • Year and Date
      2015-05-20 – 2015-05-23

URL: 

Published: 2017-01-06  

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