2015 Fiscal Year Research-status Report
小児扁桃肥大への濾胞ヘルパーT細胞の関与と分化誘導解析によるSAS治療への応用
Project/Area Number |
15K20213
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
坪松 ちえ子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40468096)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | .扁桃 / 粘膜関連リンパ装置 / 濾胞ヘルパーT細胞 / 加齢変化 / リンパ濾胞 / 睡眠時無呼吸症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
.小児扁桃肥大がもたらす睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の臨床的解析とそのメカニズム解析につながる基礎的研究を並行して行っている.本研究の目的である扁桃肥大・退縮のバイオマーカーの検索には,同時に正確な肥大と退縮の指標が必要である.臨床的なOSASの重症度の経時的変化は客観的な指標の一つとなりうる.そこでPSGが困難な小児にも有用と思われる簡易型脳波計Sleep ProfilerによるPSGを用いたSASの評価を試み,その有用性を評価し,指標の一つとして有用であることを確認した.また,小児のOSAS,扁桃肥大に関連する英文総説を発表した(Tsubomatsu C et al. Diagnosis and Treatment of Obstructive Sleep Apnea Syndrome in Children. Adv Otolaryngol 2016). 一方基礎的検討では,研究協力者である山下恵司,一宮慎吾により濾胞ヘルパーT細胞(Tfh)の検討を継続して行っている.申請者は本年度は臨床検体の提供と臨床的解析を主に行ってきたが,この検体を用いて得られた成果を以下に示す. 最終目的である濾胞形成のバイオマーカーがTfhに特異的に発現するものが関与するとの仮説から,この特異的細胞表面分子,関連の深い転写因子の検索を行った.この中で,細胞生存に関する因子を特定でき,すでに英文誌に投稿済である. また,実際に扁桃肥大を調節する生理活性物質の検索も進めており,臨床応用が可能となる小児にも使用可能なものの検索も並行して行っている.いくつかの候補が考えられ現在検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
.臨床的解析は診療と並行して行い順調である.Tfhの位置づけのためのリンパ組織としての解析は順調であるが,基礎的検討で小児と成人の扁桃の比較による実際の加齢性変化を示す指標がまだ模索中であるため,この点が遅れている理由の一つである.このため,成人と小児の扁桃組織のTfhサブセットの解析も考慮しているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
.最も重要な点である加齢性変化については,小児と成人の扁桃の比較による実際の加齢性変化を示す指標を模索中である.このため,成人と小児の扁桃組織のTfhサブセットの解析も考慮しているところである.この点では,まだ,プレリミナリーな結果しか得られていないが,サブセットの一部に違いがあることが確認されたので,これを進めていくこととしている.
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Causes of Carryover |
旅費の一部が予定変更により使用しなかったことと,物品費として発注が遅れたものの一部が次年度への繰り越しとなった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度への繰越金は必要な物品費としてあてる
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