2016 Fiscal Year Research-status Report
弱毒性HSV-1 HF10を用いた頭頸部扁平上皮癌への腫瘍溶解療法の開発
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15K20219
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
江崎 伸一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (20620983)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抗腫瘍ウイルス / 単純ヘルペスウイルス / 扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト頭頸部扁平上皮癌細胞パネルを購入し、様々な頭頸部扁平上皮癌細胞を96穴プレートに接種した。翌日に抗腫瘍単純ヘルペスウイルスHF10を感染させ、72時間培養したところ、いずれの細胞でもウイルス濃度依存的に殺細胞効果が認められた。また、マウス扁平上皮癌を入手し、同様にHF10を感染させたところ、ウイルス濃度依存的な殺細胞効果が認められた。次に、これらの細胞にHF10を感染させて経時的に観察したところ、感染細胞にはHF10による細胞変性効果が認められた。また、培養上清中のウイルス濃度を測定したところ。経時的なウイルス増殖が認められた。 また4NQOをマウス舌に繰り返し接種し、マウス舌腫瘍を得た。マウス舌腫瘍由来の細胞株は無限に増殖し、癌細胞株であると考えられた。また他のマウスの皮下に接種したところ、皮下腫瘍を作成した。 次にマウス耳介にヒト頭頸部扁平上皮癌、マウス扁平上皮癌を接種し、外耳腫瘍モデルマウスを作成した。それぞれの腫瘍にHF10を2回接種したところ、腫瘍の縮小、生存の延長が認められた。またHF10にGFPを組み込んだ単純ヘルペスウイルス (HF10-GFP) を接種したところ、腫瘍内に限局した領域でGFPが認められ、腫瘍特異的にHF10が増殖していることが示唆された。また、HF10接種後に耳介腫瘍を採取し、組織学的に検討したところ、壊死が生じているところに一致してHSV抗体陽性細胞が認められた。 以上の結果からin vitro、in vivoの両方の面からHF10の腫瘍特異的な抗腫瘍効果が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した実験は全て終了し、現在論文作成を行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
予定した実験は全て終了し、現在論文作成を行っているところである。論文作成を終え、校正を行い、投稿する予定である。
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