2015 Fiscal Year Research-status Report
好酸球欠損マウスを用いたアレルギー性鼻炎の病態解析
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15K20236
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
雜賀 太郎 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70509299)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / 卵白アルブミン / 好酸球欠損マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
最初に実験モデルとして一般的である卵白アルブミン(OVA)を用いたアレルギー性鼻炎モデルを用い、野生型マウスで誘導できることを確認し、好酸球欠損マウスでも同様の実験系ができる状態を確立した。好酸球欠損マウスにて同様の実験を行い、アレルギー性鼻炎早期相として、最後の抗原誘発後10分間のくしゃみ回数、鼻かき回数をカウントした。遅発相の評価として組織学的評価をHE染色とPAS染色、血清抗原特異的IgEをELISAにて確認しているが、症状・組織学的評価・抗原特異的IgE産生において、野生型とはやや違う結果が認められた。平成28年度は季節性抗原や通年性抗原を用いた実験系でも同様の結果が得られるかについても検討していく予定である。平成27年度中は所属リンパ節での免疫応答については検討できなかった。平成28年度は、顎下リンパ節や鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)を用いた培養実験を行い、好酸球の抗原特異的なリンパ球に対する関与について、細胞増殖や抗体産生量、培養上清のサイトカイン測定などを用いて検討したい。同時に、好酸球欠損マウスにてアレルギー性炎症を誘導し、抗原投与前や後に好酸球を移入することで、表現型に変化がでるかについても検討し、病態に関与する時期についても検討したい。 これらの実験と並行し、好酸球の病態への関与を阻害することで治療的意義を見いだせる薬剤(新規)が想定できたため、この薬剤を用いたアレルギー性鼻炎の治療についても検討しているため、随時発表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特にトラブルなくモデルを作製できているが、唯一効率を低下させているのは好酸球欠損マウスの繁殖がよくない点である。母数を十分に出来るだけの個体数が発生しないため、安定した結論が出せない状況にある。改善するために、繁殖可能なメスは可能な限り同時に交配している。充分な母数が育たない間は野生型を用いて次に必要になるであろう実験を検討しつつ待機している。
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギー性鼻炎を誘導したマウスの炎症に関わる所属リンパ節については培養実験も行い、好酸球欠損マウスと野生型に差があるか検討したい。また、計画にあるようにアレルギー性鼻炎モデルマウスの抗原特異的形質細胞もしくはB細胞をソーティングし培養することで、抗原特異的抗体IgG1もしくは低親和性IgEを産生し、選択的に回収して精製し、アレルギー性鼻炎マウスに投与することでアレルギー性炎症の低下につなげることが出来るかについて検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
消耗品の金額が予定より安価に抑えられたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度に行ってきた実験系に加え、マルチプレックスサイトカイン測定キットを購入し、鼻腔洗浄液中のサイトカイン測定を複数行う予定である。
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