2015 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアカルパイン阻害ペプチドによる新規緑内障神経節細胞保護療法の検討
Project/Area Number |
15K20245
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
工藤 孝志 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20598718)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 緑内障 / 神経保護 / カルパイン / ミトコンドリアカルパイン / GLASTノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の所属する研究グループでは最近、ラットミトコンドリアカルパイン-1を阻害するペプチド(カルパインペプチド)の作成に成功した。本ペプチドは点眼によってラット視神経乳頭部や網膜にまで送達されることが明らかになった(Ozaki T, Nakazawa M, et al. PLoS One 2015)。本研究は、カルパインペプチドのこの性質を利用して、カルパインが神経細胞死に関与していると想定される各種緑内障モデル動物および培養細胞において、カルパインペプチドが細胞死を抑制できるかどうかを明らかにすることを目的としている。 本年度使用した緑内障モデル動物はGLASTノックアウトマウスであり、まずこのモデル動物における神経節細胞死の自然経過を明らかにするため、生育期の網膜神経節細胞のアポトーシスの状況をTUNEL染色にて観察した。その結果、TUNEL陽性細胞は非常に少数ではあるが存在することが明らかとなった。この頻度の低さは緑内障モデル動物における神経節細胞死がきわめて慢性的に緩徐に進行することを示唆している。今後は、カルパインペプチド点眼によってアポトーシス細胞がどの程度抑制できるかどうかが焦点となるが、GLASTノックアウトマウスは非常に繁殖力が低く、研究期限内に実験に十分な個体数を確保することはできなかった。今後、導入遺伝子変異コピーが少なく、繁殖力が強い動物株を導入して研究を進める必要があることが判明したので、その旨手配している。 細胞培養系を用いた実験ではヒト網膜色素上皮細胞由来の細胞を購入してラットカルパインペプチドの細胞保護効果をみたが、種の違いからか細胞保護効果がみられなかった。今後、ヒトやマウスに特異的なカルパインペプチドの作成が望まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提供されたGLASTノックアウトマウスの繁殖力が弱いため、実験に十分な個体数が確保できずに終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
繁殖力の強いGLASTノックアウトマウスの供与を受けるべく交渉している。入手でき次第、研究の継続を図る。培養細胞系ではヒト網膜色素上皮細胞由来細胞やマウス視細胞錐体661W1細胞を用いて、種特異性の高いペプチドを考案して実験に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)