2015 Fiscal Year Research-status Report
VCP ATPase阻害剤による虚血性眼疾患に対する新規神経保護治療の開発
Project/Area Number |
15K20255
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畑 匡侑 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70748269)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経保護治療 / 虚血性眼疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、虚血性眼疾患モデルの作成および虚血性眼疾患モデルのライブイメージング評価系の確立を行い、虚血性眼疾患に対するVCP ATPase阻害剤の神経保護効果の検討および神経保護メカニズムの検証を目標としている。本年度の実施目的は、①虚血性眼疾患の動物モデルとしてthy1-GFP Tgラットを用い、高眼圧虚血再灌流ラット・レーザー光凝固誘発虚血性視神経症ラットの作成、②虚血再灌流ラットにおけるVCP ATPase阻害剤の腹腔内投与による神経保護効果の検討、③VCP ATPase阻害剤の眼内局所投与の有効性の検討であった。 現在までに、 ①高眼圧虚血再灌流ラット・レーザー光凝固誘発虚血性視神経症ラットの作成に成功した。このモデルラットでは、光干渉断層計・眼底蛍光のin vivo イメージングによる形態的評価、網膜電図による機能的評価により、網膜障害の継時的な変化を詳細に検討することが可能であった。 ②虚血再灌流ラットにおけるVCP ATPase阻害剤の腹腔内投与(50 mg/kg/日、虚血誘導3日前から誘導後7日後まで投与)による神経保護効果の検討したところ、薬剤投与群では、虚血誘導4週間後の網膜内層菲薄化および網膜神経節細胞減少が有意に抑制されていた。また、2週間後の網膜電図での評価では、薬剤投与群では網膜内層機能を反映するb波振幅の減衰が抑制されていた。 ③VCP ATPase阻害剤の眼内局所投与の有効性の検討については、VCP ATPase阻害剤の硝子体内投与(25μg/眼、虚血誘導2時間前)により、虚血後の網膜内層菲薄化および網膜神経節細胞減少が軽減されることがわかった。 今後は、レーザー光凝固誘発虚血性視神経症ラットにおけるVCP ATPase阻害剤の眼局所投与による神経保護効果の検討を行い、更にVCP ATPase阻害剤の神経保護効果メカニズムの検討を予定通り進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、①虚血性眼疾患の動物モデルとしてthy1-GFP Tgラットを用い、高眼圧虚血再灌流ラット・レーザー光凝固誘発虚血性視神経症ラットの作成、②虚血再灌流ラットにおけるVCP ATPase阻害剤の腹腔内投与による神経保護効果の検討、③VCP ATPase阻害剤の眼内局所投与の有効性の検討、すべてを実施することが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、レーザー光凝固誘発虚血性視神経症ラットにおけるVCP ATPase阻害剤の眼局所投与による神経保護効果の検討を行い、更にVCP ATPase阻害剤の神経保護効果メカニズムの検討を予定通り進めていく。
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Causes of Carryover |
実験施設の整備費用のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験施設の整備費用。
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