2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of lacrimal canalicular regenerative therapy using cultured autologous oral mucosal epithelial cell sheet
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15K20256
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤本 雅大 京都大学, 医学研究科, 医員 (90737983)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔粘膜上皮細胞シート / ステント / 涙道再建 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究ではまず、研究1のプロトコールに従って、口腔粘膜上皮細胞シートを3枚作成を計画した。1枚はコンタミネーションのためシート完成にまでは至らなかったが、2枚の口腔粘膜上皮細胞シートを作成することに成功した。この2枚のシートで研究2を進めた。涙道再建術において、シートが皮下組織に生着し管腔を成すまでに管腔を保持するステント素材として、一般的にヒトの涙道手術で使用されるポリウレタン製のPFカテーテル(涙道シリコーンチューブ)を使用した。正常ウサギを2匹準備し、全身麻酔下で涙道再建術を行った。正常の涙点は焼灼、縫合して閉鎖した。内眼角に切開を加え、眼瞼結膜から涙嚢へと至る、本来の涙小管の走行とは異なる部位に吻合孔を作成し、口腔粘膜上皮細胞シートを敷いた。シート上にPFカテーテルを留置し、皮下組織を縫合、皮膚を縫合し終了した。しかし、1例は3日後にチューブが脱出し、その際にシートが断裂したため、継続不可能となった。もう一例に関しても10日後にチューブが脱出し、シートの断裂を一部認めた。2日後に通水を試みたが、逆流多く、さらに5日後の確認で完全閉塞したことを確認した。ヒト用のステント素材はウサギの涙道再建の吻合孔の確保には不適であった。 今回の研究全体を通して、①ウサギから自家培養の口腔粘膜上皮シートの作成が可能であること、②術式としてシート縫合は可能であること、③既存のステント素材はウサギの吻合孔の保持には不適であることが言える。ウサギ用に吻合孔保持のためのステント素材と形状を新たに考案する必要がある。
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