2015 Fiscal Year Research-status Report
難治性黄斑円孔の閉鎖過程におけるミュラー細胞の役割:新たな治療法の開発を目指して
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15K20262
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
塩出 雄亮 岡山大学, 大学病院, 助教 (20711097)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 黄斑円孔 / 内境界膜 / ミュラー細胞 / 細胞遊走 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄斑円孔の修復過程にはグリア細胞の増殖、遊走が関与していることが知られている。網膜の主要なグリア細胞はミュラー細胞であることから、ミュラー細胞の機能を評価するため、下記の細胞実験を中心に行った。 1. RTV rubberを用いた新しい遊走アッセイの開発 ヒトのミュラー細胞の細胞株であるMIO-M1 細胞を用いて、細胞遊走の検討実験を行った。円形の遊走阻止物としては、RTV rubber(信越化学)を用いた。遊走の予備実験は、培養皿に、RTV rubberを硬化させた円柱状の遊走阻止物を用いて行った。時間経過とともに細胞遊走が認められ、本実験系が細胞の遊走の状況が観察できるアッセイであることが確認できた。 2. 内境界膜の存在下でのミュラー細胞の機能 内境界膜(構成成分はラミニン、4型コラーゲンが主体)の存在下で、ミュラー細胞の増殖、遊走に影響を与えるかどうかを検討した。ラミニン、4型コラーゲンをコーティングした培養皿では、コーティングを行わないものに比べ、細胞数の有意な増加を認めた。遊走の評価では、4型コラーゲンのコーティングにより有意な遊走の亢進を認めた。 3. 遊走中のミュラー細胞の機能 ミュラー細胞は、内因性に神経栄養因子(BDNF、CNTF、GDNF)や、線維芽細胞増殖因子(bFGF)を発現することが知られており、これらは神経保護、網膜修復に寄与することが分かっている。遊走細胞においてこれらの因子の発現が亢進するかどうかを検討した。BDNF、CNTF、GDNF、bFGFの4因子とも、非遊走細胞に比べ、遊走細胞ではmRNA発現の亢進を認めており、蛍光免疫染色では、4因子ともに遊走細胞に強い蛍光を認めた。これらの結果から、遊走中のミュラー細胞では、内因性に神経栄養因子、増殖因子の発現が亢進することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内境界膜弁を利用した難治性黄斑円孔手術の閉鎖過程を検討するため、上記の1-3を行った。 これはおおむね計画書に則しており、特に問題なく進展していると思われる。 上記の研究実績の一部は、2015年4月の日本眼科学会総会で学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
計画書の通り、 平成 28 年度は、黄斑円孔モデルにおける円孔閉鎖過程の解析 平成 29 年度は、手術時に摘出した内境界膜組織の検討 を予定している。
これらの研究成果を、学会、および論文で発表していく。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Successful displacement of a traumatic submacular hemorrhage in a 13-year-old boy treated by vitrectomy, subretinal injection of tissue plasminogen activator and intravitreal air tamponade: a case report.2015
Author(s)
Doi S, Kimura S, Morizane Y, Shiode Y, Hosokawa M, Hirano M, Hosogi M, Fujiwara A, Miyamoto K, Shiraga F.
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Journal Title
BMC Ophthalmol.
Volume: --
Pages: 94
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Six-month results of intravitreal aflibercept injections for patients with polypoidal choroidal vasculopathy.2015
Author(s)
Hosokawa M, Shiraga F, Yamashita A, Shiragami C, Ono A, Shirakata Y, Kimura S, Shiode Y, Kawata T, Hosogi M, Fujiwara A, Morizane Y.
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Journal Title
Br J Ophthalmol.
Volume: 8
Pages: 1087-1091
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Submacular hemorrhage in polypoidal choroidal vasculopathy treated by vitrectomy and subretinal tissue plasminogen activator.2015
Author(s)
Kimura S, Morizane Y, Hosokawa M, Shiode Y, Kawata T, Doi S, Matoba R, Hosogi M, Fujiwara A, Inoue Y, Shiraga F.
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Journal Title
Am J Ophthalmol.
Volume: 4
Pages: 683-689
DOI
Peer Reviewed
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[Book] OCT便利手帖2015
Author(s)
白神 史雄/飯田 知弘/石龍 鉄樹
Total Pages
173(担当頁62,63,106,107,124,125,126,127)
Publisher
メジカルビュー社