2015 Fiscal Year Research-status Report
新規シェーグレン症候群モデル「TRAF6 欠損マウス」の病態基盤解析と治療開発
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15K20268
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
中野 聡子 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (20593809)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | TRAF6 / ドライアイ / シェーグレン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
TRAF6は、Toll様受容体を介する自然免疫シグナルの伝達因子であり、T細胞では炎症を制御する。研究協力者が開発した「TRAF6欠損マウス」は自己免疫疾患様の慢性炎症を引き起こすことが知られている (小林ら, Nat Med. 2006)。我々の検討の結果、TRAF6欠損マウスは涙腺・唾液腺の著しい炎症を有しておりシェーグレン症候群の新規モデルと期待されている。 シェーグレン症候群のモデル動物は非常に稀で、病態機序は解明されておらず、治療法も限られている。本研究ではTRAF6欠損マウスについてシェーグレン症候群新規モデル動物としての可能性を眼科学的視点から探索し、その病態形成の分子基盤を解明することを目的としている。 平成27年度は、TRAF6欠損マウスの涙腺・角膜・涙液・全身病変の評価と網羅的遺伝子解析を行う予定であり、大学構内の動物実験部門BS区域でTRAF6欠損マウスを繁殖飼育中であった。 しかしながら、飼育施設同室の別系統マウスで寄生虫汚染が発生したため、TRAF6欠損マウスについても予防的に駆虫薬を投与する必要が生じた。動物実験部門BS区域の環境正常化までに約10ヶ月という長時間を要したため、その間、実験用のTRAF6欠損マウスを入手できなかった。別系統マウスでの感染が生じる前に収集した検体における組織学的検討では、涙腺に強い炎症細胞浸潤、分泌上皮萎縮を認めることを確認した。2016年5月現在、汚染消失が確認されたため、実験再開を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
TRAF6欠損マウスは大学構内の動物実験部門BS区域で飼育中であったが、飼育施設同室の別系統マウスで寄生虫汚染が発生した。TRAF6欠損マウスについても抗寄生虫薬の投与が必要とされたため、長期にわたって実験用のTRAF6欠損マウスを入手できなかった。2016年5月現在、汚染消失が確認されたため、実験再開を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
TRAF6欠損マウスの繁殖を待って、平成27年度に予定していたTRAF6欠損マウスの涙腺・角膜・涙液・全身病変の評価と網羅的遺伝子解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
TRAF6欠損マウスは大学構内の動物実験部門BS区域で飼育中であったが、飼育施設同室の別系統マウスで寄生虫汚染が発生した。TRAF6欠損マウスについても抗寄生虫薬の投与が必要とされたため、長期にわたって実験用のTRAF6欠損マウスを入手できなかった。2016年5月現在、汚染消失が確認されたため、実験再開を予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
TRAF6欠損マウスの繁殖を待って、平成27年度に予定していたTRAF6欠損マウスの涙腺・角膜・涙液・全身病変の評価と網羅的遺伝子解析を行う予定である。
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