2017 Fiscal Year Research-status Report
マウスを用いTRPA1イオンチャネルに着目した脈絡膜血管新生の新規治療戦略の確立
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15K20278
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
臼井 恵子 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (20725577)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | TRPA1 / algon laser induced CNV |
Outline of Annual Research Achievements |
[方法](1)野生型マウス(C57BL/6、n=5)とTRPA1欠失マウス(n=5)を用いた。レーザー照射14日後に血管造影を行いApo Tome.2(ZEISS)蛍光顕微鏡でフラットマウント法を用いて撮影し、CNVの面積をコンピューターソフトウエアWinROOF(三谷)で解析した。(2)野生型マウスを用いて、レーザー照射3,5,7日後におけるTRPA1の発現を免疫組織学的に検討し、PECAM-1(血管内皮細胞マーカー)との共局在の有無を検討した。(3) 野生型マウス(n = 20)およびTRPA1欠失マウス(n = 20)を用いた。レーザー照射(25spot)1日後に脈絡膜組織からRNAを抽出し、MCP-1、TGFβ-1、MPO、VEGF、F4 / 80、IL-6およびαSMAについてRT-PCRを行った。(4)培養HUVECを用い、96wellで培養液中にTRPA1アンタゴニスト(HC-030031:10μM)またはアゴニスト(AITC:10μM)を添加後7日間培養し、VEGF-A(10ng/ml)刺激後、アラマーブルーを添加し、30、60、90、120、150、180分時の吸光度を測定し細胞増殖を評価した。 [結果] (1)野生型マウスに比べTRPA1欠失マウスにおいてCNVは有意に抑制されていた(P<0.05)。(2)野生型マウスにおけるレーザー照射後の TRPA1は、レーザー照射3日後ではCD31と局在は一致しなかった。レーザー照射7日後では一部局在の一致を認めた。(3) 野生型マウスに比べTRPA1欠失マウスにおける脈絡膜組織では、TGFβ-1のmRNA発現を有意に抑制した(p<0.05)。 (4)アンタゴニスト、アゴニスト投与でHUVECの増殖に影響はなかった。 [結論]TRPA1シグナル制御によりCNVを抑制できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物モデルについては、使用しているTRPA1ノックアウトマウスは、すでに当教室に導入済みで繁殖中であるが、脈絡膜レーザー照射によって白内障化をきたす個体や眼球損傷をきたす個体が一定数あり、採取サンプルが困難になっている。 レーザー条件を検討しながら並行して課題を進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回はアルゴンレーザー照射後、比較的早期の段階でのCNVの評価のみとなった。 AMDは慢性炎症を主病態としており、今後は慢性期の脈絡脈CNVモデルとしてday5~day30などレーザー後長期間をおいての炎症性サイトカイン、血管新生因子の検討が必要と考えられる。
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