2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of SIRT3 in age-related retinal diseases
Project/Area Number |
15K20284
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内田 敦郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (70365336)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 長寿遺伝子 / SIRT3 / ミトコンドリア / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
長寿遺伝子と言われるSirtuinsでは 核や細胞質に存在するSIRT1が最も有名であり、研究が進んでいる。しかしSirtuinsの中でも、ミトコンドリアに局在するSIRT3については、研究は進められているもののその働きの全貌はまだ知られていない。眼の網膜にはミトコンドリアが豊富にあり、網膜ではSIRT3の発現が豊富であることは先行研究により明らかにされている(Ban, Ozawa et al. Exp Gerontology 2013)。SIRT3はエネルギー需要の多い眼の網膜において重要な役割を果たすであろうと考えられたが、その網膜内での役割には不明の点が多かった。そこで申請者はSIRT3ノックアウトマウスを用いて、加齢や加齢性疾患に関連するストレス刺激下の網膜でのSIRT3の役割を解析した。加齢性疾患に深く関与する刺激としては酸化ストレスから網膜細胞死を引き起こしうる光暴露を用いた。解析は、加齢や光暴露刺激後の網膜の形態、細胞死、遺伝子発現やタンパク発現等について行われ、SIRT3が光暴露刺激に対しては殊に重要な役割をすることが明らかとなった。また、培養細胞株においてSIRT3をノックダウンする実験では、リアルタイムPCRや酸化ストレス測定等の手法を用いてさらにそのメカニズムを解析しえた。今後はさらなる研究を積み重ね、SIRT3の網膜における重要性を分子レベルで明らかにして論文発表する予定である。
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