2016 Fiscal Year Annual Research Report
Drug development using human induced pluripotent stem cell derived retinal pigment epithelium
Project/Area Number |
15K20295
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
鎌尾 浩行 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30388946)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / ヒトiPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性などが原因となり重篤な視力障害を引き起こす網膜下血腫に対して、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)を併用した血腫除去術が行われているが、これまでに薬剤毒性と思われる網膜色素上皮細胞(RPE)障害が報告されている。そこでRPEに対するtPAの安全性を、医薬品の研究開発ツールとして期待されているヒトiPS細胞から作製したRPE(iPS-RPE)と、RPE株化細胞(ARPE19)、胎児RPEを用いて評価した。RPEを様々なtPA濃度(0、10、20、100、200、1000、2000、4000ug/ml)の培地で1時間と24時間の培養後、経時的(1、7、28日後)に形態評価を行った。また、細胞毒性評価としてLDH活性、細胞機能評価として色素上皮由来因子(PEDF)と血管内皮増殖因子(VEGF)の分泌量、RPE特有遺伝子の発現(RPE65、RLBP1、MERTK、VMD2)を評価した。結果は、1時間添加では、ヒトiPS-RPEと胎児RPEは2000ug/ml以上で明らかな形態異常を認め、200ug/ml以下では細胞障害を認めなかったが、ARPE19は全ての濃度において細胞障害を認めた。24時間添加では、全ての濃度でヒトiPS-RPEと胎児RPEに細胞障害を認め、また添加7日後でも細胞障害を認めた。一方、RPEの機能評価はいずれにおいても明らかな異常や細胞間の差を認めなかった。24時間添加により、臨床で用いられている濃度においても遷延する細胞障害を認めたため、tPAが長時間残存する方法は避けるべきである。またiPS-RPEは胎児RPEと同様の薬剤抵抗性を示したため、創薬研究の有用なツールの可能性がある。
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Research Products
(3 results)