2016 Fiscal Year Research-status Report
リンパ管腫のリンパ管内皮細胞内の生存シグナル阻害を応用した新規治療の開発
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15K20304
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
高橋 正貴 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, リサーチアソシエイト (10626766)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リンパ管腫 / リンパ管奇形 / ラパマイシン / OK-432 / ブレオマイシン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は以前からヒトリンパ管腫由来リンパ管内皮細胞HL-LECの培養法の確立を行い、これまでに15株以上細胞株を樹立してきた。さらにHL-LECの解析を行い、HL-LEC自体が嚢胞を形成する異常な性質を有する事を明らかにしてきた。また、HL-LECは有限のソースであるため恒久的な活用は困難であるため、不死化細胞株を樹立して実験を行ってきた。2016年度は新たに6株のHL-LEC細胞株を樹立し、実験を行った。OK-432とブレオマイシンは濃度依存性に殺細胞効果を有しており、それぞれのED-50を明らかにした。ブレオマイシンはDNA合成阻害剤であることが分かっているが、OK-432の作用機序は不詳である。そのため、OK-432の作用機序を明らかにすべくマイクロアレイによる解析を行っているところである。また、mTOR経路の阻害剤であるラパマイシンは一定以上の濃度で細胞増殖抑制効果を示すが、殺細胞効果を示さない可能性がある事がわかった。今後はこれらの作用をモデルマウスを用いて効果を確認すべく、2016年度中に効率的なモデルマウスの作成方法と評価法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書通りにおおむね進行している
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Strategy for Future Research Activity |
モデルマウスを用いたOK-432、ブレオマイシン、ラパマイシンの効果の確認を行う。 また、in vitroではシグナル阻害をqPCRなどで分子生物学的に確認する。できれば周辺組織への影響を確認するため、正常組織との有効性の差異を明らかにする。
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Causes of Carryover |
試薬の納品が間に合わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬の購入に充当する。
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