2015 Fiscal Year Research-status Report
神経電気刺激法の応用による末梢神経分枝の特異的再生法~過誤支配のない神経再生
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15K20307
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
本間 勉 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (10644205)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経再生 / 電気刺激 / 過誤支配 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では電気刺激による神経再生促進効果について、神経分枝毎に電気刺激を行うことによる、より選択的な神経再生を得ることを目的としている。これまでにも電気刺激による神経軸索再生促進効果については報告されているものの、神経分枝および神経の標的組織毎に検討した報告は極めて少ない。本方法により過誤支配の少ない神経軸索再生の促進効果が得られる可能性について検討している。 まず過去の報告をもとに神経の電気刺激の条件設定を検討した。ラット坐骨神経を対象に切断・縫合後に電気刺激を行った。神経の電気刺激時間20, 40, 60分、頻度1, 5, 10, 20Hzの単回刺激でそれぞれ予備実験を行った。評価は筋電図計PowerLab 26T(ADInstruments)を用いて活動電位の振幅、潜時を計測し比較検討したが大きな違いは見られず、刺激時間20分・頻度20Hzで条件設定を行うこととした。 次に坐骨神経の分枝である脛骨神経、総腓骨神経の走行解剖を確認し、またそれぞれの支配筋を筋電図計を用いて同時に確認した。実際には小さな複数の枝が早期に分枝されることが確認され、個体差も見受けられたため、条件を統一するため今回は脛骨神経、総腓骨神経以外の分枝については切断して検討を行うこととした。その際に得られた神経を用いて軸索再生評価手技の予備実験として、Toluidine blue染色で神経軸索の数・直径、ミエリン鞘の厚みの測定、及びS-100蛋白の免疫染色でシュワン細胞の染色を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電気刺激法を長時間行う上で、刺激による体動で刺激電極が動いてしまい、安定した刺激が行えないことが問題となった。それに対しては刺激電極を固定する器具を用いて行うことと、極力刺激時間を少なくすることで安定した刺激が可能となり実験継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた条件を元に本実験に移る。坐骨神経の切断縫合後にそれぞれの神経分枝に対し刺激を行い、評価を進めていく。Fluoro-Gold, Fast Blueを使用した二重標識法を用いて、脊髄での染色されたニューロン数・局在を計測し、分枝への電気刺激による影響を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅れとともに若干のラットの購入、組織学的評価のための各種染色剤の購入が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ラットの購入、免疫染色抗体、神経回路標識用のトレーサーを購入予定である。
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