2015 Fiscal Year Research-status Report
単球・マクロファージ系細胞の継代培養法の確立と創傷治癒関連機能の解析
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15K20317
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
菅 浩隆 杏林大学, 医学部, 講師 (60633972)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 単球・マクロファージ系細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト末梢血から採取した単核球分画を,温度応答性ディッシュを用いて培養した。細胞は順調に増殖し,約2週間で継代が可能となった。培養においては,マクロファージコロニー刺激因子を20 ng/mL添加することにより,細胞の増殖が最も促進されることが判明した。 継代においては,ディッシュを室温に約30分間静置することのみにより細胞がディッシュより剥がれ,容易に継代が可能であった。この方法により,第3継代までの継代培養を確認している。 また,各継代において,フローサイトメトリーによる表面抗原の解析も行った。採取直後は約15%程度であった単球・マクロファージ系細胞(CD14陽性,CD11b陽性)の割合が,継代を経る毎に増加し,第3継代目ではほぼ100%に近い割合となっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
温度応答性ディッシュによる細胞培養,継代が予想通り可能であることが確認できている。また,末梢血からの細胞採取において有害事象は発生していない。
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Strategy for Future Research Activity |
データの蓄積を進め,より信頼できる継代培養法のプロトコールを確立させる。また,継代培養して得られた単球・マクロファージ系細胞のサイトカイン分泌について検討する。さらに,温度応答性ディッシュの利点を活かし,細胞の接着が機能に及ぼす影響について検討する。具体的には,細胞が接着している状態と浮遊している状態とを比較し,創傷治癒関連の遺伝子発現,サイトカイン分泌について詳細な比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた実験が順調に進み,使用物品が予定より少なかったため。 また,予定していた旅費の支出がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度に予定している実験に必要な物品の購入に当てる予定。
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