2016 Fiscal Year Annual Research Report
Passage culture of monocyte-macrophage lineage cells
Project/Area Number |
15K20317
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
菅 浩隆 杏林大学, 医学部, 講師 (60633972)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 単球・マクロファージ系細胞 / 継代培養 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、単球・マクロファージ系細胞が創傷治癒に大きく関与していることが知られるようになり、創傷治癒分野での基礎研究に単球・マクロファージ系細胞を使用する機会が増えている。しかし、培養した単球・マクロファージ系細胞はディッシュから剥がれにくいため、継代して多くの細胞数を得ることや表面マーカーを経時的に解析することは困難であった。 32℃を境に可逆的に疎水性となる温度応答性ポリマーをコーティングした特殊なディッシュ(商品名RepCell、CellSeed社製)を用いて、ヒト末梢血から採取した単核球分画を培養することにより、単球・マクロファージ系細胞の継代培養を試みた。ディッシュを室温に30分間置くことにより、培養した細胞はディシュから容易に剥がれ、継代が可能となった。また、マクロファージコロニー刺激因子(以下M-CSF)を添加することにより、細胞の増殖能が著明に増加した。末梢血から採取した単核球分画はリンパ球と単球・マクロファージ系細胞からなる細胞集団であるが、継代を重ねるにつれて、単球・マクロファージ系細胞(CD11b陽性、CD14陽性)の割合が徐々に増え、第3継代目にはほぼ全ての細胞が単球・マクロファージ系細胞となった。また、組織マクロファージのマーカーであるCD206は末梢血ではほとんど発現されていなかったが、培養の開始に伴い発現が見られるようになり、継代後もその発現は維持されていた。サイトカインアレイでは、培養した単球・マクロファージ系細胞がTNF-alphaやMCP-1など様々なサイトカインを分泌していることが明らかとなった。 今回確立した継代培養法により、単球・マクロファージ系細胞の取り扱いが容易となり、単球・マクロファージ系細胞に着目した創傷治癒研究がより発展することが期待される。
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