2015 Fiscal Year Research-status Report
Scarless wound healingにおけるYAP/TAZの役割の検討
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15K20322
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
濱田 茉梨子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70723287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠ICRマウス(妊娠13日、15日、17日)に対して、子宮、羊膜を切開後、マイクロサージャリー手術用剪刃を用い、各々の発生段階の胎仔背部に長軸方向に沿った皮膚全層切開創を作成した。その後、妊娠13日マウスに関しては羊膜のみ縫合、妊娠15、17日マウスに関しては、子宮壁を含めて縫合し、創傷作成24時間後に胎仔を採取した。免疫染色にてYAPとTAZの発現・局在の検討を行い、胎生13日の創部と15日17日の創部における局在の差が認められた(研究目的:図1)。そこで、胎生13日及び15日胎仔創傷作成時にYAP及びTAZ、コントロールそれぞれのsiRNAをinvivofectamine (Lifetechnologies)を用いて導入し、創作成後24時間に組織を回収する。創部の肉眼的観察後、組織の一部からRNAと蛋白を抽出し、mRNAレベル(real time PCR)と蛋白レベル(ウェスタンブロット法)でのノックダウン効率を検証する。ノックダウンが確認されれば、更に創部の組織学的検討を行い、YAP, TAZノックダウンによる変化を検証したところ、SiRNAを加えた群では、コントロールに比べ瘢痕が目立つ傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SiRNAの投与実験が順調に成功し、その解析も行うことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
SiRNAノックダウン実験における皮膚組織のタンパクを抽出し、ウェスタンブロット法にて、関連分子の発現及びリン酸化を比較検討する。また2)の3次元培養下で培養した線維芽細胞からのタンパクを抽出し、関連分子の発現及びリン酸化を検討し、各時期でのシグナル伝達系を比較・検討する。 組織、培養系の結果からYAP/TAZや関連分子の抑制の変化を解明することは、瘢痕抑制や細胞の未分化能獲得などへの応用につながると考えられる。
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Causes of Carryover |
組織解析にかかる費用の決裁が次年度となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に、組織回収で得られたサンプルを病理組織学的検討を行うためにかかる費用に使用する予定である。
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