2016 Fiscal Year Annual Research Report
Visualizing fetal skin wound tissue by whole-mount immunohistochemistry.
Project/Area Number |
15K20323
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
崎尾 怜子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70723261)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 再生 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚の創傷治癒は大規模な組織の改編を伴う生体反応であり、その過程の中でも血管やリンパ管新生は組織を修復する上で非常に重要である。しかし、創傷治癒過程における血管新生について細胞レベルで詳細な検討を行った研究はほとんど報告がない。本研究ではマウス胎仔の皮膚創傷治癒モデルを用いて、創部の血管新生について解析し、皮膚の再生が可能な胎生13日目と、再生が不可能となる以後の胎齢とでどのような違いがあるかを検討した。胎生13日目の胎仔の側胸部皮膚に全層切開創を作成し、一定時間経過後に組織を回収したが、80%以上の胎仔は生存していた。胎生13日目の皮膚創部は、以後の胎齢の創部と比較して明らかに収縮が弱く、皮膚切開後24時間の創部は類円形を呈していた。ホールマウント染色標本を作製して観察を行ったところ、その表層にはLYVE1陽性・CXCR4陽性のマクロファージと思われる細胞が創全体を覆うように多数存在していたが、以後の胎齢の創部ではそれは認められなかった。また、CD31の免疫染色で血管新生について検討したところ、胎生13日目の創部では創縁の真皮から創部中心へ向かいfilopodiaを伸ばすtip cell様の血管内皮が多数認められたのに対して、以後の胎齢の創部では全く認めれらなかった。異常のような観察結果から、皮膚の再生が可能な胎生13日目の創部においては、創傷部位に胎生マクロファージのような形態形成に関与する細胞が集積し、VEGFなど血管新生の起点となる因子を発現することによって早期の血管新生を誘導している可能性が考えられた。胎仔のホールマウント染色標本し観察することによって上記のようなこれまで未報告の現象が捉えられたことは意義深いと考えられた。
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