2016 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症性急性腎障害における好中球エラスターゼ阻害薬の治療効果の検討
Project/Area Number |
15K20337
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 卓 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (50750345)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 敗血症 / 急性腎障害 / 血管内皮傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
LPS投与(20mg/kg)により敗血症モデルマウス(BL6 background、10週齢、オス)を作製した。マウスはシベレスタット治療群とコントロール群に分け、LPS投与3、6、9、12時間後にシベレスタット群では0.2mg/kgのdoseで、コントロール群についてはPBSを腹腔投与し、LPS投与48時間後の生存率を比較したについては未治療マウスの生存率が24%であったのに対し治療群で83.3%と有意な改善を認めた。腎機能については腎障害のマーカーであるKIM-1の尿細管上での発現が治療群で抑制されており、血清クレアチニン、尿素窒素の上昇も有意に抑制されていた。レジンを用いた腎血管鋳型を作製したところコントロール群では明らかに腎毛細血管の鋳型形成が阻害されており微小血管障害が生じていることが確認できたが、治療群では鋳型の形成不全が減弱しており、治療により微小血管障害が軽減されていることが示唆された。走査型ならびに透過型電子顕微鏡により敗血症性腎障害の超微形態を確認したところ、正常な腎糸球体毛細血管は有窓型といわれる小孔構造が認められたが、コントロール群ではこの構造が破壊され、毛細血管壁の肥厚が認められた。また、基底膜とたこ足細胞の乖離が認められ腎機能障害を強く疑わせる所見が確認できた一方で、治療群においては小孔構造が保たれ、基底膜とたこ足細胞の乖離は認められず血管内皮細胞の浮腫様変化も抑制されていた。また、血管内皮傷害を定量的に評価するためにトロンボモジュリン(TM)の発現についても検討した。正常な糸球体血管内皮にはTMが発現していたが、敗血症モデルマウスにおいては糸球体血管内皮でのTMの発現が低下する一方で尿細管での集積が認められた。これは障害を受けたTMが尿により排泄されることを示唆する所見であると考えられた。治療群では糸球体血管内皮でのTMの発現が保たれており、シベレスタットは血管内皮傷害を減弱することを示唆した。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Ulinastatin ameliorated acute kidney injury in sepsis via inhibition of endothelial injury2016
Author(s)
Akihiro Uchida, Hideshi Okada, Kodai Suzuki, Chihiro Takada, Airi Kageyama, Yuki Kato, Ayumi Kuroda, Yoshiaki Ogawa, Yasuaki Hotta, Taku Tanaka, Shiho Nakano, Takahiro Yoshida, Shozo Yoshida, Nagisa Miyazaki, Hiroaki Ushikoshi, Izumi Toyoda, Genzou Takemura, Shinji Ogura
Organizer
The 8th Congress of the International Federation of Shock Societies
Place of Presentation
Tokyo
Year and Date
2016-10-03 – 2016-10-05
Int'l Joint Research
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[Presentation] Low Dosage Aspirin Attenuated Multiple Organ Failure in Sepsis Through Vascular Endothelial Protection2016
Author(s)
Takahiro Usui, Hideshi Okada, Kodai Suzuki, Chihiro Takada, Risa Inagawa, Go Furui, Hiroki Uekado, Hiroki Jinno, Junya Ota, Yasuaki Hotta, Taku Tanaka, Shiho Nakano, Takahiro Yoshida, Shozo Yoshida, Nagisa Miyazaki, Hiroaki Ushikoshi, Izumi Toyoda, Genzou Takemura, Shinji Ogura
Organizer
The 8th Congress of the International Federation of Shock Societies
Place of Presentation
Tokyo
Year and Date
2016-10-03 – 2016-10-05
Int'l Joint Research