2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of the therapeutic effect of bromwarel urea on systemic immune response syndrome
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15K20343
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
桑原 淳 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (00512162)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症モデルラットにおける古典的催眠鎮静薬ブロムワレリル尿素の生存率改善効果およびそのJAK1阻害作用を解析した。 催眠鎮静効果を持つ薬剤として1907年に発見され、1909年にはアメリカで特許が取得された。我々はBUがマクロファージの活性化を抑制し、盲腸結紮穿孔により作成したラット敗血症モデルの生存率を改善することを見出した。BUは我が国ではかつて「ブロバリン」「カルモチン」などの商品名で販売されていた。1950年代から1960年代にかけて第二次自殺ブームの主役となった。大量服薬でも急性中毒を引き起こすのみで致死性低く、比較的安全。BUは種々のサイトカインを抑制し、NFkBの核内移行を抑制しない。また、IFN-γはSTAT1をリン酸化し、BUはそれを抑制する。と同時にIFN-γによるSTAT1, IRF1, iNOSのmRNAの発現を抑制する。腹腔マクロファージのsiRNA導入によるJAK1/STAT1/IRF1経路のノックダウン実験もおこなったところ、BUはJAK1を特異的に阻害するという結果を得られた。 まとめると、20世紀初頭から使用されている古典的催眠鎮静薬BUは盲腸結紮穿孔による敗血症モデルラットの生存率を改善した。LPSの侵入からsepsisに至る過程にはTLR4→NFκB経路とJAK/STAT経路の2段階があり、IFN-γが媒介していると考えられた。BUはヒトに対して安全性が確立された薬剤で、JAK1を特異的に阻害し、sepsisの治療薬となる可能性があるが、その作用機序の完全な解明には至っていない。
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Research Products
(1 results)