2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mesenchymal stem cell derived hepatocyte-like cells transplantation might be one of the treatment strategies for childhood fulminant hepatitis.
Project/Area Number |
15K20345
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水口 壮一 九州大学, 大学病院, 助教 (80747999)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝不全 / 細胞療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
(研究の背景と目的)小児劇症肝炎の多くは、集中治療を行っても救命できない症例も多い。肝移植が根本治療となることが多いが、小児であるがゆえに直ちに移植の適応を満たせないことも多い。近年、新たな治療法として幹細胞や肝細胞を用いた細胞療法の研究が検討されている。本研究の目的は、間葉系幹細胞より分化させた肝細胞を劇症肝炎の治療に応用する基礎研究を行うことである。計画している具体的な研究項目は、①間葉系幹細胞由来肝細胞の免疫寛容のメカニズム解析、②劇症肝炎モデル動物を用いた間葉系幹細胞由来肝細胞療法の有用性と安全性の評価、③凍結保存した間葉系幹細胞由来肝細胞を用いた肝細胞機能解析ならびに治療評価、である。 (研究計画に基づいた成果)間葉系幹細胞由来の肝細胞の免疫原性や肝機能の評価をマイクロアレイやELISA法を用いて行った。間葉系幹細胞由来の肝細胞が免疫原性が低く、肝細胞の機能を持っていることを確認できた。また、肝不全動物モデルに間葉系幹細胞由来の肝細胞を投与した。組織学的解析、生化学的解析を行い、細胞治療は有効であった。長期間の観察を行い、細胞療法後に腫瘍形成はなく、安全性も確認できた。しかしながら、三番目の目的である凍結保存細胞を用いた解析については現在準備中である。 (研究の意義)本研究により間葉系幹細胞由来肝細胞が小児劇症肝炎の治療戦略の一つとして臨床応用される足がかかりとなることを期待している。
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