2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K20349
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大野 雄康 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00745333)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Nuclear factor kappa B / Toll like receptor 4 / myogenesis / C2C12 / endotoxiemia / lipopolysaccharide |
Outline of Annual Research Achievements |
血中Lipopolysaccharide(LPS)の上昇は、敗血症だけでなくbacterial translocationにより糖尿病、末期腎不全や肝硬変など様々な疾病で観察される(内因性エンドトキシン血症)。病的な筋萎縮 はこれらの病態に共通する徴候である。骨格筋形成の抑制は筋萎縮の重要な原因であるが、これまでLPSが骨格筋形成過程に与える影響は不明であった。 我々はこのknowledge gapを埋めるため、マウス筋芽細胞C2C12を分化誘導培地でLPSおよびToll like receptor (TLR) 4 signalの特異的阻害剤であるTAK-242存在下/非存在下で培養した。TLR4 mRNAの発現はリアルタイム逆転写PCRで確認し、正の筋分化誘導因子であるmyogenin、MyoD、および負の因子であるmyostatinの発現量をウエスタンブロット法で定量した。Nuclear factor Kappa B (NFκB)の活性はELISA法を用いて測定した。 昨年までに報告してきたデータに加え、今年度は新たに次の知見を得た: (1) 筋芽細胞上のTLR4 mRNAは骨格筋形成のどのステージにおいても安定して発現しており、LPSが筋新生のどのフェーズにおいてもリガンドとして作用しうる。(2) LPS作用後48時間後のNuclear factor kappa B (NFκB)の活性とLPSの投与量の間には用量反応関係がある。(3) 正の骨格筋制御因子 myogenin, myoDおよび負の制御因子myostatinはNFκBの制御を受けている (4)TLR4の阻害剤 TAK-242はNFκBの活性を抑制し、LPSによる骨格筋形成抑制も修正する。 これらの知見を現在専門誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在知見をまとめ国際誌に投稿中である (revise phase)。これまでに得られた新知見を基に、さらに後述するような発展的研究を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
LPSが骨格筋新生を抑制する現象、およびその分子メカニズムの一部はこれまでに明らかにすることができた。今後これまでに得た知見をもとに以下の実験を計画中である。 (1) LPSが骨格筋抑制に及ぼす影響に、骨格筋がパラクリン分泌するTNFα IL6等の炎症性サイトカインが影響を及ぼしているかどうか調べるために、これらの中和抗体を使って実験を行う。 (2)LPSはTLR4だけでなく、TLR2も活性化しうる。TLR4の筋新生抑制における選択性を調べるために、TLR 2, TLR4の中和抗体を使用して実験を行う。
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Causes of Carryover |
NFκB ELISA kitやTNFα, TLR 2, 4の中和抗体などを購入するため使用が必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これらの試薬は継続して使用する。
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Research Products
(2 results)