2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research of early diagnostic markers in septic shock
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15K20353
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
濱口 満英 近畿大学, 医学部, 講師 (10550866)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 敗血症 / リノレン酸 / アナンダマイド |
Outline of Annual Research Achievements |
アナンダミド (anandamide:ANA)は細胞外に放出された後、再び細胞内に取り込まれ、脂肪酸アミド加水分解酵素(fatty acid amide hydrolase:FAAH)によってアラキドン酸とエタノールアミンに加水分解されます。ANAの過剰蓄積を防止するためにはこの代謝酵素(FAAH)が重要であります。 2016年にSepsis-3が発表され敗血症の定義・診断基準がかわりました。Sepsis-3で用いられるSOFAスコアの算出を行いANAやFAAHの関係について検討しました。 SOFAスコア・ANAは入院後のCHDF施行などの治療によって影響をうけるため、治療経過においては敗血症の状態を正確に反映することができないと考えられましたが、FAAHに関しては敗血症の状態を反映している可能性があると考えられました。このため動物実験を行う前に、ANAだけでなくGC/MSで測定できるそのほかの脂質メディエーター(アラキドン酸類・リノレン酸類・ドコサヘキサエン酸類など)の測定を行いました。 敗血症患者の入院時と入院7日後における変化を検討しました。FAAHによって加水分解され放出されるアラキドン酸カスケードは症例によって変化が様々であり、本研究においては特徴的な結果はみられませんでした。ドコサヘキサエン酸類においても特徴的な結果はみられませんでした。リノレン酸に関しては入院時に上昇している症例に関しては予後が悪い結果でありました。これらの結果より、FAAHとリノレン酸系が初期における予後判定や治療経過における敗血症の状態を反映する有用なマーカーとなる可能性があると考えられます。
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