2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism analysis for evasion of periodontal pathogen from host innate immunity
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15K20360
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 洋輝 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (40572186)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の目標は、細胞内のアクチン細胞骨格を制御するRhoファミリー低分子量GTPase の1つであるCDC42につき、ヒト歯肉上皮細胞へ侵入したPorphyromonas gingivalisの細胞内動態に及ぼす影響を調べることである。 最初に、蛍光蛋白質mCherry とCDC42 の融合蛋白質をコードするプラスミドを作製し歯肉上皮細胞へ発現させ、細胞内に侵入したP. gingivalis との共局在率を共焦点顕微鏡で観察した。その結果、感染後1時間で本菌とmCherry-CDC42は共局在を示した。 また、P. gingivalis を内包するCDC42陽性のエンドソームは、PI(3)P(フォスファチジルイノシトールトリスリン酸)のマーカーであるFYVE domain、アクチン細胞骨格系の再構成を制御するGTPaseであるRalA、ファストリサイクリングの制御因子であるRab4A、Rab4A の結合因子であるRUFY1、細胞内輸送小胞の融合を担うSNAREタンパク質の一つであるVAMP2と非常によく共局在 を示した。 さらに、歯肉上皮細胞に侵入したP. gingivalis の初期エンドソームから次のオルガネラへの輸送にCDC42 が関与する可能性を解析するため、歯肉上皮細胞にP. gingivalis を感染後CDC42 選択阻害剤であるML 141 またはCID44216842で処理し、菌の局在を共焦点顕微鏡で観察した。その結果、感染後4時間において対照群と比較し、初期エンドソームに局在するP. gingivalis が増加し、本菌を含む初期エンドソームが歯肉上皮細胞の辺縁部に蓄積するようになった。 これらの結果より、CDC42 は歯肉上皮細胞に侵入したP. gingivalis の初期エンドソームから次のオルガネラへの輸送に関与している可能性が示された。
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Research Products
(3 results)