2015 Fiscal Year Research-status Report
口腔上皮の感染によるエピジェネティクス修飾に関与するターゲット遺伝子の同定
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15K20389
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
吉田 光希 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30453260)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 口腔上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティクスは、DNA塩基配列の変化を伴わずに遺伝子発現を変化させるものであり、組織発生や悪性腫瘍をはじめとした様々な生命現象や疾患の発症に関わるとされている。中でもDNAのメチル化は、主要な現象の1つである。近年、歯周病や口腔粘膜疾患の発症・進行への関与を示唆する報告があるものの、その詳細は未だ明らかとなっていない。環境因子がエピジェネティクス変化を引き起こすことから、口腔内細菌がこの変化に関わっているものと推測される。 本研究では、歯周病原菌由来LPSで長期刺激されたヒト口腔上皮におけるDNAメチル化の網羅的解析を行い、歯周病や口腔粘膜疾患に関わるエピジェネティクス解析の基礎データとする。 初年度の研究実施計画としては、LPS長期刺激によるヒト口腔ケラチノサイトのメチル化について、メチレーションアレイ解析を行う予定であった。そこで、まずはヒト歯根膜由来線維芽細胞におけるLPS長期刺激下でのメチレーションアレイ解析を行った。その結果、全遺伝子中,4倍以上の高メチル化や1/4倍以下の低メチル化それぞれで3,000種類前後の遺伝子に変化がみられた。これより、P. gingivalisをはじめとした歯周病原菌でもかなりの種類の遺伝子にメチル化の変化を引き起こし得るものと考えらえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の研究計画がやや遅れている理由として、研究計画が長期培養系である事に加え、まずはヒト歯根膜由来線維芽細胞を用いた研究を行ったことが挙げられる。しかしながら、ヒト口腔上皮細胞を用いて同じ研究方法を行う予定であることから、次年度以降に充分遂行可能な範囲と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
LPS長期刺激によるヒト口腔上皮細胞のメチル化について、メチレーションアレイ解析を行った後、アレイ解析結果で得られた炎症反応関連遺伝子にターゲットを絞り、mRNA解析およびMSP(Methylation-Specific PCR)を行い、メチル化レベルの解析を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、実験計画を予定通り遂行することができなかった為、次年度使用額が生じる事となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、前年度に遂行予定であった研究計画を踏まえながら使用していく予定である。
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Research Products
(5 results)