2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of antibacterial self-adhesive resin cements containing chlorhexidine
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15K20402
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北川 蘭奈 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70711068)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯学 / レジンセメント / クロルヘキシジン / バイオフィルム形成抑制 / 接着強さ / 曲げ強さ |
Outline of Annual Research Achievements |
市販のデュアルキュア型レジンセメント(ジーセムリンクエース, GC)に練和後の最終濃度が5 (wt)%となるようにクロルヘキシジン (CHX) を配合した試作セメントを用いて実験を行った。コントロールにはCHX非配合のセメントを使用した。 まず,セメントを硬化させた試料上でStreptcoccus mutans, およびEnterococcus faecalis菌液を48時間嫌気培養し,試料上に形成されたバイオフィルムをLIVE/DEAD BacLight Viability Kitを用いて染色後,共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ,コントロールではほとんどが生菌からなるバイオフィルムの形成が観察されたが,CHX配合セメント上では死菌がわずかに付着しているだけであった。また,より臨床に近い状態を再現するために,ヒトの唾液を採取したものを用いて同様の実験を行ったところ,試作セメント上に付着菌は認められず,試作セメントはヒト唾液由来の多菌種から構成されるバイオフィルム形成も抑制することが明らかとなった。 また,牛歯歯冠にセメントを用いてステンレス棒を接着させ,せん断接着試験を行ったところ,試作セメントとコントロールとの間で有意差は認められなかった。 つづいて,ISO 4049:2000に準じて作製した棒状試料を蒸留水中に浸漬し24時間保管後, 3点曲げ試験を行ったところ,試作セメントは80 MPa以上の曲げ強さを示した。また,28日間保管後に同様の実験を行ったところ,曲げ強さの有意な低下は認められず,試作セメントが臨床的に問題のない物性を備えていることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)