2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the effects of fluoride-releasing sealer on dentin demineralization using optical coherence tomography and ultrasonic measurement
Project/Area Number |
15K20414
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
舎奈田 ゆきえ (田村) 日本大学, 歯学部, 専修医 (40706785)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再石灰化 / 根管象牙質 / S=PRGフィラー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,コンポジットレジンや歯質接着材においてフッ素徐放性や抗菌効果などのバイオアクティブ機能を併せ持つ材料が開発されており,その効果を検証した報告もされている。そこで,バイオアクティブな性質を有する機能性高分子材料であるS-PRG(Surface Reaction Type Pre-Reacted Glass-ionomer)フィラーが開発され,フッ素のみならず,各種イオンを放出することによって歯質の脱灰抑制・再石灰化による歯質強化が期待されている。そこで,バイオアクティブな性質を有しているS-PRGフィラーを含有する根管シーラーを試作し,根管象牙質における状態変化を,光干渉断層画像診断法および超音波透過法を用いて検討を行う計画をたてた。 今回,このバイオアクティブ効果を持つ根管シーラーを用いた際の根管象牙質の状態変化を,超音波透過法および光干渉断層画像診断法(Optical Coherence Tomography, 以後OCT)を用いて定量化し,客観的評価を行うこととした。 その結果,S-PRGフィラーの持つ様々なイオンはOCT像および超音波の音速にコントロール群と比べて変化が認められた。これは根管象牙質の脱灰抑制および再石灰化効果を持ち,根管治療における歯質の破折防止に寄与できる可能性が示唆された。 歯の長期保存を考える上で歯根象牙質の果たす役割は大きく,本研究の進展によって根管治療に関する新たな知見が得られることになれば,歯の長期的保存に貢献することができ,国民の口腔衛生のさらなる向上に寄与することができるものと考えられることからその意義は高いものといえる。
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