2015 Fiscal Year Research-status Report
口腔内機能時における上顎インプラントオーバーデンチャーの力学的解析
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15K20434
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 利士 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70610864)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インプラントオーバーデンチャー / 無口蓋義歯 / 補強 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,上顎インプラントオーバーデンチャーにおけるインプラントと義歯,顎堤の機能時の変形および挙動を明らかにすることを目的とし,力学的検討を行う. 研究計画の初年度にあたる本年度は,上顎インプラントオーバーデンチャーの治療計画を立案することを目的とし,計画立案の基本となる模型実験を使用し,基礎的な力学実験を行った. 6本のインプラントを埋入した上顎無歯顎模型とそれに適合する実験用義歯を製作し,インプラントオーバーデンチャーの形態(口蓋の有無),支持するインプラントの本数とその分布および補強構造の有無を実験条件とし,それぞれの条件において義歯およびインプラントに生じるひずみの計測を行った.その結果,義歯の形態に関係なく,インプラントの本数を4本以上とし,補強構造を埋入することにより義歯およびインプラントに生じるひずみが小さくなることが明らかとなった.また,前歯部のインプラントに関しては,インプラントの本数や分布,義歯の形態に関係なく他の部位に比べて大きなひずみが生じ,インプラントオーバーデンチャーの支持としては推奨できないことが示唆された. この結果を,1件の国際学会における発表と4編の英語論文として国際雑誌に投稿することにより公表した. 今後は,インプラントに対して実際に臨床において使用されている種々のアタッチメントを装着し,同様の検討を行うことにより,その影響と理想的な条件の考察を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画において,初年度は模型実験等の力学的な基礎実験を行うこととしており,今年度の実績は予定したとおりに順調に進展しているものと思われる.しかし,当初の計画において予定していた有限要素法による実験は,模型実験と比較し遅れており,全てにおいて順調であるとはいえない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,実験条件をより臨床的に,多岐にわたるものとして模型実験を進めていく予定である.また,上記の進捗状況にも記載した有限要素に関する実験に関しても,実験モデルの構築,条件の検討をおこなっていく予定である.
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Causes of Carryover |
購入したパーソナルコンピュータ等の物品が当初予定していた金額よりも低額で同程度の性能のものが購入できたこと,購入を予定していた実験材料に関して実験計画の予定からの遅延・変更等に伴い購入しなかったこと,本年度参加した国際学会が日本国内の開催であったため旅費が想定していた金額よりも安くなったこと,が考えられる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後,実験の遂行に伴い,必要な購入物品の購入資金として使用する予定である.また,当初の予定では予算の問題から行っていなかった実験に関する技工作業を専門業者に外注し,その外注費用に今回の繰越金を使用することを考えている.さらに,金銭的に余裕ができたことから,結果の発表を国内学会から国際学会とすることで,より広く公表することが可能となると思われる.
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Research Products
(6 results)