2015 Fiscal Year Research-status Report
インプラント周囲炎の生物学的病態解明と免疫学的治療法の開発
Project/Area Number |
15K20439
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三野 卓哉 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10625718)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔インプラント / インプラント周囲炎 / 免疫応答 / 次世代シークエンサー / メタゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.サンプリングシステムに則って研究対象患者の抽出を行った.選択基準は,岡山大学病院クラウンブリッジ補綴科において,インプラント最終上部構造を装着し,メインテナンスに移行している患者のうち,口腔内に健全インプラント体,インプラント周囲炎罹患インプラント体,健全歯および歯周病罹患歯を有する者のうち同意が得られた者とした.なお,本研究におけるインプラント周囲炎罹患インプラント体とは,デンタルエックス線検査により明らかな骨吸収を認め、かつ周囲ポケットから排膿を認めるインプラント体とし,歯周病罹患歯とは,歯周ポケット6mm以上を有する天然歯とした.現在のところ,上記基準を満たす6名の患者を研究実施対象者として得ている. 2.6名の研究実施対象者には,臨床診査プロトコルに従い臨床診査データを収集すると共に,インプラント周囲炎罹患インプラント体,健全インプラント体,健全歯および歯周病罹患歯それぞれの周囲ポケットからペーパーポイントを用いて歯肉溝浸出液を採取した.また,インプラント周囲炎によって臨床的に不良肉芽組織の掻把が必要となった際には、除去した組織を採取した.今後,歯肉溝浸出液を用いて次世代シークエンサーによるメタゲノム解析予定である.また,採取した組織から切片を作成し,免疫応答細胞の分布を確認する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象患者の抽出ならびに試料採取も順調に進んでいる.また次世代シークエンサーによる解析準備も整ったため.
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Strategy for Future Research Activity |
1.引き続き対象患者のサンプリングを引き続き行う. 2.対象患者に対して,臨床的リスク因子同定のための臨床診査およびインプラント周囲炎に罹患した部位の軟組織や歯肉溝浸出液を経時的に採取する.得られた臨床検体は次世代シークエンサーを用いて解析するとともに,採取した組織から切片を作成し,免疫応答細胞の分布を確認する. 3.対象患者に随時臨床診査を行いインプラント周囲炎の経時的進行度を評価するとともに,半年毎にインプラント周囲炎に罹患したインプラント体周囲から歯肉溝浸出液を採取する.得られた臨床検体は2.と同様に解析する.その結果を基にインプラント周囲の免疫応答の経時的変化を把握する.
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