2015 Fiscal Year Research-status Report
機械的刺激による顎堤吸収に関する研究-補綴学的な顎堤保全を目指して-
Project/Area Number |
15K20440
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒木 大介 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90733303)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機械的刺激 / メカニカルストレス / 歯肉線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
培養細胞伸展刺激を負荷する前に,新たにラット口蓋粘膜よりラット歯肉線維芽細胞(rGF細胞)の単離することから行った。異なる6匹のラット口蓋粘膜よりrGF細胞を獲得した。 当初の計画では,メニコンライフサイエンス社のShellPaを用いて,伸展刺激を行う予定であったが,予算の都合上,これまでの研究にて用いてきたSTREX社のSTB-140を用いて,伸展刺激の予備実験を行った。伸展率は装置の変更に伴い,2%,4%,6%,8%に変更している。伸展周期は計画通りである。 伸展刺激負荷後(0~24時間),経時的にmRNAを回収し,定量RT-PCR法により遺伝子発現を検証した。調査した遺伝子はCOX-2,IL-6,TNF-α,IL-1β,OPGの5種である。まず,異種間での伸展刺激後の遺伝子発現において,ばらつきが認められた。また同種間においても,継代数や培養密度によってばらつきが認められた。そこで現在,細胞間での遺伝子発現のばらつきを抑えるため,継代数と培養密度をほぼ同一にそろえた上で,再度,伸展刺激を行う予定である。同種間でのばらつきを少なくした上で,異種間での遺伝子発現の差を評価したいと考えている。また,各遺伝子においても発現変化の違いも見られていることから,伸展刺激負荷による遺伝子変化の最も見られる細胞において,DNAマイクロアレイによる網羅的な解析を行う予定である。 さらに,細胞のメカノセンサーとして一次繊毛の働きに関しても注目していきたい。伸展刺激の前後において,一次繊毛の免疫組織学的染色からその変化に違いがあるかどうか検証したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
rGF細胞の単離において,単離条件が悪く,目的細胞の単離に時間を要した。また今年度は,遺伝子発現の解析が終了している予定であったが,細胞の異種間・同種間における遺伝子発現変化にばらつきが伴い,伸展刺激の実験条件の決定に時間を要したため,やや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度において,実験条件をある程度決めることができたため,次年度では当初の計画通り,遺伝子発現変化を検証していく予定である。今年度の遅れを取り戻すとともに,次年度と次々年度において計画されている破骨細胞分化実験まで進めていく予定である。
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