2016 Fiscal Year Research-status Report
機械的刺激による顎堤吸収に関する研究-補綴学的な顎堤保全を目指して-
Project/Area Number |
15K20440
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荒木 大介 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90733303)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 機械的刺激 / メカニカルストレス / 歯肉線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の周期的伸展刺激による遺伝子発現の調査継続から行った。問題であった発現量のばらつきに関して、同種間は継代数と培養密度を同じにすることによって解決できた。異種間での発現量の違いに関して、歯根膜線維芽細胞を用いた他の研究でも報告があるように、機械的刺激に対して応答性の高いものから低いものまで同じ組織から採取した細胞であっても存在することが考えられた。 伸展刺激によって、Cyclooxygenase(COX)-2の発現上昇が見られたことから、prostaglandin E2(PGE2)の発現を検証した。機械的刺激を負荷した場合、COX-2の発現上昇と同じく培養上清中にPGE2の発現上昇も見られた。ただし、発現上昇に関して、伸展負荷後に経時的に上昇するのではなく、負荷直後から上昇が見られており、COX-2の遺伝子発現だけではない培養上清中へのPGE2分泌が生じている可能性が示唆された。 これまでの研究ではシリコーン製のストレッチチャンバーを用いた二次元培養での機械的刺激を負荷してきた。二次元的な伸展・圧縮刺激を負荷したが、伸展と圧縮の刺激での比較をしたところ、特に有意な差を認めなかった。そこで圧縮刺激に関しては3次元培養での検討が必要であると考え、シリコーンチャンバー上でコラーゲン包埋培養を行い検討をしている。コラーゲンゲルの特性上、強い機械的刺激に耐えられないことやゲルの上方への形態変化が避けられず静水圧を負荷できないことから完全な圧縮状態は再現できていない。そこでアテロコラーゲンを用いた持続的圧縮刺激も今後検証したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圧縮刺激に関しては、新たな実験系での検討項目が追加されたが、伸展刺激に関しては予定通りの解析が終了している。破骨細胞分化実験に要するコンディションドメディウムの調整もしている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、コンディションドメディウムを用いた破骨細胞分化実験を行う予定である。また圧縮刺激に関して、アテロコラーゲンを用いた持続的圧縮刺激での遺伝子・PGE2産生を検討していく方針である。
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