2015 Fiscal Year Research-status Report
より強固なインプラントー生体インターフェイスを獲得するための新規表面処理法の開発
Project/Area Number |
15K20445
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古橋 明大 九州大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (60608975)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯科インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラントの長期維持のためには、周囲組織との親和性が大切である。また、生体内での細胞レベルでみてみると、歯科インプラントも細胞外基質の一種として機能していると考えられる。そこで、本研究では細胞と細胞外基質との関係についての解析を行った。 上皮系の細胞を用いて、特殊なコーティングを行ったディッシュ上で培養を行うと、細胞はディッシュに沿って増殖し、扁平な形態を呈した。しかし、3次元的に増殖することはなかった。そこで、別種のコーティング材料を用いて細胞を播種すると、細胞は凝集し球状のスフェロイド形態を呈することが分かった。一方で、細胞増殖に伴ってスフェロイドが成長するにつれ、持続的にその形態を維持することは困難であることが分かった。 生体内の環境では細胞は3次元的に存在しているため、その環境を模倣するモデルとしてゲルを使用した3次元培養法を用いた。その結果、細胞はゲル中でスフェロイド状の形態を呈することが明らかとなった。また、継時的な細胞増殖に伴ってスフェロイドはそのサイズが成長することが明らかとなった。また、3次元的に培養をする上で、ある種の培地を用いると上皮系の細胞がブランチング状の形態を示すオルガノイドを形成する可能性が示唆された。 これらの研究結果より、同じ細胞を用いたとしても培養環境によって異なった挙動を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初想定していた結果と異なったデータが出たため、更なる解析を進めるため研究計画に若干の変更が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
3次元培養法の手技を会得しつつあるため、この方向性での更なる解析を目標とする。
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Causes of Carryover |
当初、想定していた結果とは異なるデータが出たため、実験系の再検討が必要となり条件の検討に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験系の検討はおおむね良好に推移しており、今後は順調に解析を行えると考えられる。
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