2015 Fiscal Year Research-status Report
荷重下インプラント周囲骨の適応変化がもたらすインプラントデザインの最適化
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15K20449
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
安武 宗徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 研究協力員 (10734163)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デンタルインプラント / 骨質 / 骨細胞 / 生体アパタイト結晶 / コラーゲン線維 / 優先配向 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インプラントのスレッドデザイン(=ネジ形態)がインプラント周囲骨組織の形成と微細構造にどのような影響を与えるのか検索することにある。咀嚼荷重がインプラントを介して骨組織に伝達されることを鑑みると、インプラントのスレッドデザインは応力分散に大きく関わり、ひいては周囲骨組織の構造変化の鍵を握ると考えられる。申請者らがこれまで行ってきた繰り返し荷重モデルを用い、多方面から骨微細構造解析を行って、最適なスレッドデザインを検討する。 本年度は研究協力者の助言を得て、力学的にインプラント周囲骨組織を安定化させると考えらえれる、インプラントネック部にグルーブを付与した2種類のインプラントを開発した。ひとつはインプラントの長軸に対して時計回りに60度の溝が付与された+60度グルーブインプラント、そしもうひとつはインプラントの長軸に対して反時計回りに60度の溝が付与された-60度グルーブインプラントを開発した。 次いで申請者は、上記インプラントを家兎に使用して予備実験を行った。その結果、規則的な繰り返し荷重は、+60度グルーブインプラントで、有意な骨インプラント接触率の増加と骨量の増加を認めた。さらに骨質を検索すると、+60度グルーブインプラントで有意な骨細胞皺の増大を認め、さらには生体アパタイト結晶とコラーゲン線維の配向性が有意にグルーブの方向に沿っていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに予備実験が終了し、成果も十分に挙げられたことから、おおむね順調に進展しているといえる
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Strategy for Future Research Activity |
家兎による予備実験が終了したことから、今後は+60度グルーブインプラントと-60度グルーブインプラントをビーグル犬に埋入し、咀嚼荷重を加えることで、生体により近い条件でインプラント周囲骨組織の荷重応答性を検索する計画である。インプラント埋入4週後もしくは12週後にインプラントに咀嚼荷重およびデバイスを用いた規則的繰返し荷重を与え、荷重がインプラント周囲骨組織の骨結合、骨量、骨密度、ならびに骨細胞や生体アパタイト結晶/コラーゲン線維の配向性で示される骨質に与える影響を検索する。
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Causes of Carryover |
物品費とその他を購入した端数のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算と合わせ、遅滞なく予算を執行し研究を進める予定である。
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Research Products
(5 results)