2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-strength denture base resin with cellulose nanofiber.
Project/Area Number |
15K20466
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
川口 智弘 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50631701)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 義歯床用レジン / セルロースナノファイバー / 曲げ強さ / 曲げ弾性係数 / 接着強さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、義歯の破折を減少させるために植物由来のセルロースナノファイバーを義歯床用レジンの補強用繊維として用いることで、レジンの機械的強度を向上させた義歯床用レジンを開発することである。セルロースナノファイバーを義歯の補強材として義歯床用レジン材料に使用した場合の曲げ特性および表面処理方法を検討した。平成27年度では初めに義歯床用レジンとセルロースナノファイバーの複合化技術の開発であるセルロースナノファイバー処理条件の検討およびセルロースナノファイバーの表面処理方法を中心に行い、複合化したセルロースナノファイバー添加方法の最適化を目指した。平成28年度では各処理条件のセルロースナノファイバー補強床用材料との曲げ強度の比較を行った。本実験は、ISO20795-1 2013に基づいて義歯床用レジンの試料を製作し、曲げ試験を行った。接着試験ではセルロースナノファイバーに対し歯科用常温重合レジンを接着させ剪断接着試験を行った。その結果、各処理条件では曲げ強さが58.2MPaから99.7MPa、曲げ弾性係数が1.65GPaから2.60GPaの範囲に及んだ。セルロースナノファイバー本来の強度から考えてまだ十分にセルロースナノファイバーの強度を義歯床用レジンに発揮できずにいると思われる。しかしながら義歯床用レジン材料にセルロースナノファイバーは使用可能な材料であることが判明し、セルロースナノファイバーに対して、2ステップセルフエッチングプライマーシステムボンディング材を用いて表面処理を行うことで常温重合レジンの接着強さが向上することが示された。
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Research Products
(2 results)