2015 Fiscal Year Research-status Report
早期血管増殖を誘導するハニカム構造を用いた新規骨再生療法の開発
Project/Area Number |
15K20468
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
弓削 文彦 北海道大学, 大学病院, 医員 (60713609)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 骨再生 / ハニカムコラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
①近年、トンネル構造を持つバイオマテリアルが、血管新生及び肉芽組織の形成に影響することをが解明され、また骨の再生において血管の存在が必要なことが明らかになったきた。そこで本研究では骨組織に対しトンネル構造を持つハニカムコラーゲンの血管新生、組織形成の早期化(短縮)、骨造成能を組織学的に検索して行き、新生骨の形態を自在に設計できて、さらに従来よりも短期間で形成、機能するように骨誘導できるバイオマテリアルの開発を進めていくことである。 ②27年度の研究の目的は、トンネル構造を有したハニカムコラーゲンの骨造成に対する有用性を評価することである。 小臼歯を抜歯したビーグル犬の頬側歯槽突起上に、トンネル構造を持つハニカムコラーゲンを骨に対しトンネル方向が垂直、水平になるように移植した。また対照群としてトンネル構造を持たないコラーゲン、成長因子であるFGFを配合させたハニカムコラーゲンをトンネル方向が骨に垂直、水平方向になるように留置し、観察期間を12週とした。観察期間中、動物の体調不良などのトラブル等は起こらず飼育環境には問題はなかった。観察期間終了後、実験部位を顎骨ごと取り出しCTで撮影を行い3Dモデルの構築を行った。3Dモデルにより硬組織の形成は見られたが移植時に粘膜に押されトンネル構造が潰れてしまった可能性があった。今後、CTデータの解析、3Dモデルの再構築を行いう。また組織学的検索により形成された硬組織について明らかにしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験の計画の段階ではビーグル犬2頭を使う予定だったが、統計学上信頼できるサンプル数を増やすために頭数を6頭に増やした。また動物実験施設の飼育設備の状況により6頭同時に飼育できなかった為、複数回に分け実験を行ったため進捗状況は計画よりは遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の促進策 今後CTで撮影した試料の3Dモデルを基にトンネル構造を持つハニカムコラーゲンの骨造成能の組織学的検索を行う。 また本年度の実験により今回使用したトンネル構造を持つハニカムコラーゲンでは移植時にトンネル構造が潰れてしまう可能性が出てた。そこで新たに潰れないように工夫したハニカムコラーゲンをラット頭蓋骨に移植する予定である。 次年度では改良型のトンネル構造を持つハニカムコラーゲン、スポンジ状コラーゲン、FGFを配合したハニカムコラーゲンをラット頭蓋骨に移植し、治癒初期のトンネル構造による血管の新生及び肉芽組織形成の早期化と新生組織の形態誘導能について組織学的に検索していく予定である。
|
Causes of Carryover |
平成28年3月31日までに納品されたが、平成28年4月の支払いとなった物品があった為、未使用額が生じた。未使用額は4月の支払いに充てる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は使用計画どおり学会への参加のための旅費、論文校正費に充てる。本年度の実験結果を踏まえて改良型のトンネル構造を有するハニカムコラーゲンを作成し、ラットを使い新たな実験を行う予定である。改良にかかる材料費、実験に必要な器具、試薬が必要である。またCT撮影のデータを3D構築、解析するために高性能なPCを導入する。
|