2015 Fiscal Year Research-status Report
外側性骨造成術を用いたアパタイトコートヒアルロン酸による骨補填材の開発
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15K20469
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 謙光 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (00610049)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨補填剤 / 生体材料 / 再生歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
標本となるヒアルロン酸コーティングアパタイト骨補填材は、ヒアルロン酸に0.01m NaOHを混ぜ1mass%の濃度にし、ジビニルスルホンを混ぜ、常温にて2日攪拌し、予備凍結を行い、-80℃にて凍結乾燥を行う、さらに1MCaCl2中に36.5℃にて1日浸漬させ、最後に擬似体液中に36.5℃にて7日浸漬させ、完成させた。また、ヒアルロン酸は凍結乾燥まで終了し、実験に使用した。健常な体重約3kgの日本白兎3匹を用いた。動物飼育については東北大学動物実験施設において行われ、同施設の規定を遵守した。兎の頭頂骨を用いたin vivoによるヒアルロン酸コーティングアパタイト骨補填材後の骨形成の検討を行った。全身麻酔下にて兎の頭部に皮膚切開、骨膜切開を行い、骨膜下を剥離し、頭頂骨に穿孔を行い、出血を促し、ヒアルロン酸コーティングアパタイト骨補填材、ヒアルロン酸を留置し、チタンメッシュにて固定後、骨膜、皮膚を縫合した。対照群は何も留置せず、骨に穿孔のみをおこない、チタンメッシュを留置し、スクリューにて固定し、縫合した。6週目に標本採取を行った。標本所見において、チタンメッシュ下のヒアルロン酸コーティングアパタイト骨補填材、ヒアルロン酸の吸収が認められなかった。また、μCT所見においては、ヒアルロン酸コーティングアパタイト骨補填材群、ヒアルロン酸群と対照群を比較すると、著しい骨の造成が認められなかった。今後は、ヒアルロン酸コーティングアパタイト骨補填材の更なる改良、実験主義においては、皮質骨の穿孔方法、チタンメッシュ上にメンブレンを設置するなどの検討を行っているが、外側性骨造成、歯槽骨萎縮の2つのモデルを予定しており、最初の外側性骨造成モデルがうまくいかない時は、次の骨欠損モデルを先行して行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
6週目のCT結果にて骨の再生が、いずれの群も認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
チタンメッシュの網目より、上皮の侵入し、骨の再生を妨げたものと推測される。 今後は、チタンメッシュ上にメンブレンを被覆し、上皮の侵入を遮断し、骨の再生を促すこととする。
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Causes of Carryover |
科研費取得在中に9月より1年間の海外留学義務が生じたため、渡航前に動物実験、標本の採取、μCTの評価を行った。当初計画より動物実験に遅れがあり、物品の使用が少なかったため、次年度使用額が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
帰国後に、動物実験を再開し、来年度交付額と合わせて、メンブレンなどの材料の購入や学会発表、論文投稿料に使用予定。
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