2019 Fiscal Year Research-status Report
Narrow Implantへの応用を目指した生体用チタン合金の高強度化
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15K20473
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
蘆田 茉希 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (50708386)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生体材料 / 材料加工・処理 / 医療・福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年骨量の不足する症例が増加しており、Narrow Implantについて従来のものより径が小さくて済むため期待が高まっている。しかし、径が従来のものに比べて小さいため、破折しやすいというリスクが高まる。このため歯科インプラント材料の高強度化が求められる。本研究ではHigh Pressure Torsion(HPT)加工に着目した。HPT加工は金属材料などの機械的特性向上に用いられる巨大ひずみ加工法であり、試料に高い圧力を加えながら下側の金型を回転させることによって、試料にねじり変形を加える。本研究ではHPT加工による結晶粒微細化によって、Ti-6Al-7Nb合金の高強度化を図ることを目的とする。これまでに、Ti-6Al-7Nb合金にHPT加工を施し、HPT加工条件である、圧力と回転数が加工後の組織と機械的特性に及ぼす影響を調べ、機械的特性の向上のための最適な加工条件の探索および加工前出発組織の検討を行ってきた。 ・Ti-6Al-7Nb合金に加工前に熱処理を行った。これによってバイモーダル組織を得た。 ・出発組織を変え、加工を施すことによって結晶粒微細化した。加工の回転数が小さい場合は加工方向に伸長した比較的大きい結晶粒が見られたが、回転数の増加に伴い減少した。 ・結晶粒径は微細化し、α相は最小で約70 nmの超微細な結晶粒が得られた。 ・ビッカース硬さは、回転数の増加に伴い増加した。引張特性は熱処理を行わなかった場合に比べて向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに出発組織を等軸組織およびラメラ組織とすることで機械的性質の向上が示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、出発組織を針状組織に変化させた場合に加工を施し、組織と機械的性質を調べる。また、加工後の熱処理条件を検討する。
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Causes of Carryover |
産前産後休暇および育児休業取得のため
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