2015 Fiscal Year Research-status Report
スタチン系薬剤と培養骨膜細胞を用いた人工再生骨の開発
Project/Area Number |
15K20488
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
田辺 耕士 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (80638156)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | スキャフォールド / 骨再生 / コラーゲン / ゼラチン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、骨膜細胞の初代培養の手法について検討したが、当初の計画どおりに進まなかったため、まず人工再生骨に影響するスキャフォールドについて条件検討を行った。 これまで用いてきたゼラチンハイドロゲル・スキャフォールドは水溶液中で、急速に溶解し、また薬剤の徐放もコントロールできていなかった。そこで我々は、ゼラチンハイドロゲルにアテロコラーゲンを添加することによって、水溶液中での安定性の改善と、薬剤徐放のコントロールを試みた。その結果、アテロコラーゲンの添加により得られたアテロコラーゲン/ゼラチン複合体は、水溶液中で溶解することなく安定し、さらにアテロコラーゲンの添加量の調整により、薬剤徐放性をコントロールできることがわかった。得られた成果をもとに、第300回東京歯科大学記念学会・総会で、「フルバスタチン局所投与の担体:アテロコラーゲン/ゼラチン複合体の物性」と題する発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨膜から骨膜細胞を採取する過程で、均一な条件の細胞が得られず、採取する度に細胞の成長速度や形態が異なってしまう。さらに骨膜細胞中に多く存在する繊維芽細胞の存在によって、継代を重ねる度に骨形成能を持つ細胞が減少していくため、骨形成能を持つ細胞を選択的に培養する手法が必要であると思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
骨膜細胞の採取については、骨膜からの骨形成能を持つ細胞を選択的に培養する手法を確立をめざし、またスキャフォールドにおいては、本年度に得られたアテロコラーゲン/ゼラチン複合体をさらに改善し、細胞培養に適したスキャフォールドの完成を目指す。
|
Causes of Carryover |
学会旅費として当初計画したが額が、学会の開催場所が近い場所で開催されたため、交通費において、当初の見積もりとの差額が発生した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額としての33,306円は、スキャフォールド作成のための試薬(研究用コラーゲンパウダー/高研)の一部として使用する予定である。
|