2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of regenerative therapy on bone and nerve tissue using dental pulp stem cell
Project/Area Number |
15K20494
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
秦 正樹 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (20632871)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 細胞移植 / 顎骨欠損 / 糖尿病性神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯髄幹細胞を用いた組織再生治療に関する様々な研究が報告されている。歯髄幹細胞(DPSCs)は間葉系幹細胞の一種であり、矯正治療の際の便宜抜歯等により採取可能なため、細胞供給源として注目されている。我々は、DPSCsの顎骨欠損と糖尿病性神経障害の治療における有効性について実験的に確認した。 6週齢SDラットの切歯より歯髄組織を採取し、コラゲナーゼ処理後、プラスティック上に播種し、20%FBS含有α-MEMにて培養した。継代を行い、フローサイトメトリーにてCD29、CD49d、CD90陽性CD34、CD45陰性と同定した。その後、骨、脂肪分化誘導を確認した。得られた培養rat-DPSCs(rDPSCs)を頭蓋骨欠損モデルラット(直径4.6mm)に骨補填材料と共に移植し、4週間後に骨組織再生治療効果について検討した。DPSCs/β-TCP顆粒移植群では、欠損部周囲より骨新生が確認された。DPSCs/HA顆粒移植群では、辺縁部の骨新生と顆粒が確認された。DPSCs とCollagenを共に移植した群においては、欠損の辺縁部と中心部に骨の新生が確認された。また、矯正治療時の便宜抜歯より得られた歯より歯髄組織を採取し、酵素処理によりhuman-DPSCs(hDPSCs)を抽出した。同定後、Strepotozotocin(STZ)投与8週後のヌードマウスの片側後肢骨格筋に移植し、4週間後に神経組織再生治療効果について検討した。 Normal群、DM群において、hDPSCsを移植した側での血管新生因子VEGF、神経成長因子NGFの発現が確認され、感覚閾値、坐骨神経伝導速度、坐骨神経内血流量の改善に寄与したと推察された。 以上より、歯髄幹細胞移植の顎骨欠損および糖尿病性神経障害に対する新しい治療法としての有効性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] ヒト歯髄幹細胞移植による糖尿病性神経障害に対する治療効果発現メカニズムの検討2017
Author(s)
秦 正樹,大見真衣子,小林泰子,中村信久,宮部 愛,姫野龍仁,神谷英紀,尾澤昌悟,中村二郎,武部 純,松原達昭,成瀬桂子
Organizer
第60回日本糖尿病学会年次学術集会
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