2016 Fiscal Year Research-status Report
骨欠損部への移植を目標とするサンゴを足場材料とした毛細血管の三次元培養
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15K20496
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
岡村 友玄 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (10567473)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サンゴ / 毛細血管 / 線維芽細胞 / コラーゲン / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は①毛細血管がサンゴ骨格表面に付着する際に重要な役割を果たすと考えられる線維芽細胞とサンゴの関係性を培養ヒト線維芽細胞(正常皮膚線維芽細胞、歯根膜線維芽細胞)を用いて、サンゴ顆粒表面に付着した線維芽細胞の形態、コラーゲン線維の形態を走査型電子顕微鏡で観察、細胞増殖とコラーゲン産生能をそれぞれMTTアッセイと比色定量法で計測した。また、サンゴ顆粒表面のカルシウムをアリザリン染色し、これが培養ヒト線維芽細胞の内部に吸収される現象とサンゴ顆粒周囲に存在する線維芽細胞表面のインテグリンα3βvの発現が亢進することを観察した。アリザリンで染色されたサンゴ顆粒表面カルシウムと蛍光免疫染色されたインテグリンα3βvを共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。②毛細血管付きサンゴ顆粒を将来生体に移植するする際に、細胞培養用CO2インキュベーターから取り出し、診療室で培養液から一時的に毛細血管付きサンゴブロックを保存液に保存する必要性があることを考え、中心静脈輸液法で用いられる高カロリー輸液に注目し、浸透圧を生体と近似した約280mOsmに調整し、さらに抗菌薬を添加して細胞の保存液として実験的に応用した。調整された細胞の保存液を、37℃に設定されたホットプレートの環境下でヒト線維芽細胞の保存を試み、細胞のミトコンドリア活性をMTTアッセイで評価した。その結果、大気中37℃環境下でヒト毛細血管の保存が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通り研究を実行することができた。 サンゴ顆粒表面のカルシウムは線維芽細胞内に取り込まれ利用されている可能性が示唆された。またこの生体反応がサンゴ顆粒周囲で細胞増殖亢進の一因である可能性が示された。 平成29年度に毛細血管付きサンゴ顆粒を生体に移植するため、培養室から実験室に移動、手術中に一時的に細胞を培養液以外のもので保存する必要が生じたため、当初予定していなかった細胞保存液の検討を行うことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度はこれまでの成果を参考にして実験期間を設定、培養ヒト毛細血管付きサンゴ顆粒をヌードマウスに移植する予定である。
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