2017 Fiscal Year Research-status Report
脱灰象牙質を用いた骨再生とその界面組織の3次元的微細構造解析
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15K20497
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
田上 隆一郎 久留米大学, 医学部, 助教 (40597457)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脱灰象牙質 / 象牙細管 / FIB/SEM / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脱灰象牙質 (demineralized dentin matrix: DDM)を頭蓋骨欠損モデルに填入後, 新生骨とDDMの付着機序を次世代走査型顕微鏡を用いて, 組織形態学的に解析することを目的とした. 一定期間移植後のDDM周囲に存在する骨細胞はそれぞれの細胞突起にてネットワークを形成していた. また, 興味深いことに, その細胞突起の一部はDDM表面の象牙細管内に伸展しており, 象牙細管内に骨組織が陥入していることが組織学的に確認できた.移植されたDDM 顆粒においては, 周囲新生骨と連続するDDM 表層の象牙細管内は移植前DDM 象牙細管内と比較し, 電子密度の高い組織が存在することが観察された. 同組織やDDM 基質はエネルギー分散型X線分光法にてカルシウムおよびリンが多く存在することから, 移植後のDDM はDDM 基質自体の石灰化に加え, 象牙細管内に骨組織が形成されていることが成分構成的にも示唆された. 以上のことから, DDMを用いた骨造成法は, DDM から徐放される微量なBMP によって, 未分化細胞や周囲母骨由来の細胞は骨細胞に分化誘導され, その細胞突起はDDM 周囲でネットワークを形成する一方, 一部は象牙細管内に伸展し, 細胞外マトリックスを形成する一連の流れがあることを本研究が裏付けた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は概ね終了し、論文も2月に採択された.骨細胞・骨が細胞に加え、破骨細胞の観察も行っており,その試料作成および観察に時間を要しており, 本年度延長届けを申請している.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで観察した試料の中に骨細胞, 骨芽細胞は観察できたが, 破骨細胞は観察できておらず, 長期試料を観察することで, 破骨細胞と吸収が予測されるDDM顆粒の関係について検証をつづけたいと考える.
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Causes of Carryover |
論文投稿に際し, 破骨細胞検証の追加実験に時間を要したため次年度に使用額が生じた. 残高は1万円未満であり、実験データの解析・収集に使用予定である.
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Research Products
(3 results)