2016 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌EMT関連分子の機能的探索による新規診断・治療法の開発
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15K20504
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
倉沢 泰浩 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90737280)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EMT / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、癌の進展家庭において生じるEpithelial-Mesenchymal Transition(EMT)に着目し、独自の機能的スクリーニング手法を用い、特に口腔扁平上皮癌でのEMT発生に関する分子を同定し、さらに詳細な分子機序を明らかにすることにより、癌細胞がいかにして浸潤能、転移能などの悪性形質を獲得することを解明する、また見出した分子の臨床的応用法を開発することを目的としている。 平成28年度は、Taqman法による発現解析とCOBRA法、Bisulfite Sequence法によるDNAメチル化解析を組み合わせた独自のスクリーンング法によって、過去に報告した分子に加えて、あらたな候補遺伝子を選出した。選出した遺伝子の機能解析を進めるにあたり、これまでに報告されている遺伝子の機能等などから、EMTにいかにして関与するか、その遺伝子の持つ機能と癌の悪性化との関連性について仮説を立案し解析を進めている。 具体的には、口腔扁平上皮癌のうち上皮系の性質を有する細胞株で発現し、間葉系の性質を有する細胞株で発現低下する遺伝子をまず絞りこみ、絞り込んだ遺伝子のうち、Exon1上流にCpGアイランドを有する遺伝子において、COBRA法を用い、それぞれの遺伝子が発現低下している細胞株の対応するCpGアイランドのメチル化の程度を評価した。発現の低下とメチル化が相関する、すなわち候補遺伝子の発現低下があり、かつ、プロモーター領域がメチル化されている遺伝子については、Bisulfite Sequense法で、ゲノム上のメチル化シトシンの部位を精査した。引き続き、絞り込んだ遺伝子の詳細な機能解析と、間葉系形質の癌細胞で発現低下する意義について検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
いくつかの分子については立案した仮説を裏付けるような結果を見いだせず、新たな候補分子についてin vitroの解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
過去に確立したスクリーニング法で見いだした分子について、in vitro解析を進めている。EMTの発生において、抑制の方向に関わっている分子を選出しているため、EMTのマーカーであるEカドヘリンの発現誘導を証明したいと考えている。
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Causes of Carryover |
必要な物品藤は所有するものを可能な賈誼氏使用するなどし、経費節約に努めたためこと、予定していた研究スケジュールに遅れが生じており、本来実施予定の研究に進んでいないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前述した研究計画に則り必要な物品や、消耗品などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)